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ヤングオンコロジースペシャリストの声

A Journey of Future Medical Oncology Trial Investigator

古川 孝広(医師)
古川 孝広(医師)

MDアンダーソンキャンサーセンター Breast Medical Oncology ポストドクトラルフェロー(腫瘍内科医)

現在ヒューストンに留学中で、乳癌領域におけるトランレーショナルリサーチを行っております。テキサスでの留学はあっという間に2年となりました。

みなさんはじめまして。私は北海道庁そばに位置するKKR札幌医療センター斗南病院より、ここテキサスヒューストンのMDアンダーソンキャンサーセンターに留学に来ております。現在は臨床試験のプロトコール作成やその方法論を学ぶ傍ら、トランスレーショナルリサーチとして乳癌の遺伝子マーカーを用いて薬剤開発や効果予測因子を同定する研究に従事しております。

ミーハーな気持ちの学生時代

私がまだ大学生になったのは1994年、海外旅行は今ほど気楽に出来るものではありませんでした。周りのほとんどが海外旅行をしたことがない方ばかりで、あまり情報が得られず、インターネットも普及し始めたばかりで、自由に情報検索出来る環境ではありませんでした。

そんな中、英語を学習してみたいという気持ちから、二年生夏休みにサンフランシスコにホームステイしたのが始めての海外旅行となりました。アメリカのスケールの大きさにただただ圧倒され、大学を卒業したらアメリカで働いてみたいという気持ちが芽生えました。

研修医時代

アメリカでの医療へのあこがれを持ちながら、消化器科医となり内視鏡のスキルを磨き始めました。この分野は非常に魅力的に感じたため、その後しばらくは留学をあきらめて、医療技術と知識の向上に専心しておりました。忙しい毎日をこなすことでの充実感で、自分が何をしたいとか大きな枠組みで考えることをせず、ただひたすら日常臨床をこなしていました。

僻地医療について

大学院のカリキュラムを終え、1年間医療過疎地で2人の医師で町の健康を守る仕事に従事しました。重症の患者はもちろんおらず、病院に来るのはハチ刺され、怪我、腰痛といったこれまで対象としていなかった疾病ばかりで、自分の時間もたくさんありました。これまでの医師としてのトレーニングを振り返り、今後自分が何を行いたいのかを真剣に考え始めたものの、より良い医療を提供しようという漠然とした考えだけがありました。

アメリカ/カナダ/イギリス/オーストラリアへのあこがれ

腫瘍内科に勤務し始めた頃、臨床試験を通して患者さんへより良い医療を届けることに惹かれるようになりました。もともと内視鏡医であったため、そのキャリアをやめて専任の腫瘍内科医になるには勇気が必要でした。そして、腫瘍内科医として、臨床試験のシステムがより進んでいると考えられた海外で研修してみたいという気持ちになりました。ただこの時も、自分の目標が明確ではなく具体性を欠いていました。今思うと自分が本当に目指しているものがはっきりしていなかったために、あこがれは実現しなかったのだと思います。

メンターとの出会い

私の現在のボスでもある上野直人先生との出会いは2008年のJ-TOPワークショップが札幌で開催された時である。その時から繰り返し伝えられたVisionとMissionは、私の人生を変えるほど強力なメッセージでありました。それまではこれらは単純に自分の目標としてしか考えておらず、長期的視野としてのVisionやそれを達成するためのMissionが明確になることで、学生時代から私の頭の中を覆っていた霧が晴れたような気持ちでありました。これにより、アメリカで日本よりも優れているものを吸収して日本に持ち帰りたいという真摯な気持ちが芽生えたのです。

Visionに根ざした留学生活

科学技術の発達で癌治療に役立つ検査法や治療法が急速に進歩しているが、世界でもトップクラスのMDアンダーソンキャンサーセンターではこれらの経験を身につけるには最適の施設であります。またどのように世界中の施設とコラボレーションしているのかを見るのは非常に興味深く、一つでも多くのものを学びたいと言う欲求にかられます。そして何よりも自分の武器であるPassionにより、これからも待ち受けている困難を乗り越えていきたいと思うのです。

日本に帰国後に行いたいこと

日本に帰国後はアメリカで学んだトランスレーショナルリサーチならびに臨床試験を遂行するのは言うまでもありません。日本で乳癌診療を行っているスペシャリストと協力しあい国際試験を速やかに実行したいものです。新規薬剤を用いた臨床研究を世界に先駆けて行い、日本から治療薬を発信出来るシステムを改善させ、日本のがん患者さん達が安心して臨床研究に参加出来るようにしたいです。

(2014年 6月執筆)
ちょこっと写真、ちょこっとコメント
アメリカの航空ショー アメリカの航空ショーのエキストラ

アメリカに来て初めて航空ショーを見ました。民間機しか見たことがなかったので、間近で見るアクロバティックな旋回には度肝を抜かれました。

他にも中世のヨーロッパを舞台とした大規模な町を作り上げ、そこで生活していた人たちの格好をしているエキストラもたくさんおり(いわゆるコスプレです)、アメリカのイベントはスケールの大きいものばかりで興奮します。

(2014年 6月執筆)

エッセイへの意見

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