掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
腎細胞がんか腎盂がんかそれに伴い違う治療法
優璃(埼玉県) 2020/01/19
大変お世話になります。どうぞよろしくお願いいたします。
86歳の父に、腎細胞がんまたは腎盂がんの疑いが指摘されました。
前立腺がんの診断に使っていたCT画像から指摘されました。

言われてみればがんを疑う状態。
位置が悪く画像からどちらのがんか判断できず今後MRIを撮る。
先に肺のCTを撮ってみたら、肺転移を疑う。ただし、腫瘍性か炎症性かは画像から判断できない。
先日細胞診をしました。今後MRIを撮りその結果を29日に聞きます。

カンファレンスでは
腎細胞がんなら分子標的薬を使う。成績が良いのでこれで大丈夫だと思う。
腎盂がんならシスプラチンを使う。ただし、相当にきつい。成績も悪い。高齢の体に負担が大きい。
ちなみに前立腺がんはホルモン治療を開始して、PSAの値が一気に下がりました。
本人は先生の言葉を素直に聞いて「抗がん剤ですね」などと答えています。
父は今だ現役でフリージャーナリストとして執筆活動や市民活動でボランティアをしています。それが本人も生きがいだと。

腎盂がんの場合、がん情報サービスでもシスプラチンを使うとありますが、副作用や寿命を縮めるだけで、地元のかかりつけ医に話すとお勧めできないと言われます
(かかりつけ医が大学病院の教授宛に父のことを紹介しています。)
全く自覚症状もなく、食欲もあり、経過を見るのはどうだろうなどと言います。

最悪を想定して、腎盂がんだった場合ですが、放射線治療、免疫チェックポイント阻害薬(キイトルーダ )などほかの選択肢はないものでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。

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Re:腎細胞がんか腎盂がんかそれに伴い違う治療法
SS(福島県) 2020/01/24
お返事が遅くなり申し訳ありません。
福島で看護師をしております、SSと申します。
この度は、前立腺の方のCT検査で、偶然に腎細胞または腎盂の方に異常が指摘され、細胞を採取しての検査を受け、MRIを受け、現在はその結果待ちということですね。さぞご心配のことと思います。
まだ診断は確定されていませんので、抗がん治療を選択する際の考え方についてお話したいと思います。

抗がん治療を考える際、ご本人の生活の中にどのように治療を組み込んでいくか、ご本人やご家族の希望と意向を踏まえながら、医師や看護師、薬剤師など多職種からなる医療チームで検討することになります。治療に伴う利益と不利益のバランスを考えながら、ご本人の生活の質を下げることのないように、治療を生活の中に取り入れられるように、その方法を吟味していく必要があります。
その際、ご本人の生活の情報が重要となってきます。お父様は、執筆活動やボランティア活動に参加することを生きがいに感じていらっしゃるそうですね。素晴らしいと思います。

これから、診断が確定された後に、治療方法を選択することになるかと思います。お父様が、これからも元気に執筆活動を続けられるようにするにはどうしたらよいか。なかなか、治療以外のことは医師には伝えにくいことがあるかもしれません。そういうときは、看護師など医療スタッフにご相談ください。一緒に考えていただけたらと思います。

もし、腎盂がんだった場合についてですが、シスプラチンが提案されているのですね。医師からはシスプラチンによる影響についての言葉があり、お父様の生活やお身体への負担がどうなるのか、とても不安だと思います。シスプラチンは、腎臓に負担がかかる薬剤ですので、使用する際には十分に全身状態の観察を行いながら使用することになります。
シスプラチンについては、国立がん研究センターのサイトに詳しい情報が記載されています。
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/drug_therapy/anticancer_agents/data/cisplatin0101.html
シスプラチンはもちろんですが、他の治療方法にもやはり副作用は起こりうるものです。お父様の生活を維持しながら元気に過ごしていけるように、それぞれの治療方法の利益と不利益のバランスを考えながら、医療スタッフとご相談していただきたいと思います。
そして、腎盂、尿管がんの治療に関する情報として、すでにごらんになっているかもしれませんが、情報が載っているページをご紹介します。
https://www.msdconnect.jp/static/mcijapan/pdf/keytruda_ictool_rpu.pdf

なお、ご質問にありましたキイトルーダですが、この薬剤は他の抗がん剤を使用した後の2次治療として使われる薬剤であることをお伝えします。

優璃様も、お父様も、結果説明まで不安な日々だと思います。
外来で医師の説明を受けるようになるのかな、と思われます。診察室でいざ質問しようとしても、もしかしたら緊張して質問に躊躇してしまうかもしれません。医師に確認しておきたいこと、訊きたいことなど、前もってメモしておくと良いと思います。
そして説明の後で何かご不明な点や気になることがありましたら、是非外来の看護師にもお声かけいただけたらと思います。

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Re:腎細胞がんか腎盂がんかそれに伴い違う治療法
近藤千紘(東京都) 2020/01/25
優璃さま

お久しぶりです。看護師のSSさんの仲間の腫瘍内科医 近藤です。

お父さまは、前立腺がんの診断からホルモン療法を開始されて順調にPSAが下がってきているのですね。嬉しいニュースをありがとうございます。ようやくホッとできると思ったら、腎臓にできた腫瘍と肺に転移疑いの病変がみつかってしまったということですね。なんともおつらい状況と想像します。

主治医の先生は、尿の細胞診を待ってみようと言われているとのこと、私もおそらく同じ検査手順をお勧めすると思います。確実な診断をするには、腎臓表面の皮膚に局所麻酔をして針を刺して組織をとり病理検査を行う、生検(せいけん)という検査が必要です。生検は入院が必要なことが多く、お父さまが (少しではありますが) 痛い思いをしないと結果が得られない、少しハードルの高い検査です。もし尿にがん細胞のかけらが落ちてきておりそれを拾うだけで診断がつくのであれば、その方が楽だと考えて、患者さんには尿細胞診を先にやってみましょう、と提案することは多いです。ただ注意すべきなのは、この検査は楽な反面、偽陰性といって「がんの所見なし」と出たとしても、たまたま拾えなかった可能性も比較的高い検査ですので、再検査をしないといけないこともあります。

肺の病変は、もし最近初めて見つかったものであれば、まだ小さいということでしょうか?そうすると、生検するためには、全身麻酔で外科的に生検する以外に、がんかどうかを確かめる方法はなさそうです。(大きければ、気管支鏡検査やCTガイド下生検といって、数日の入院ですむ全身麻酔なしの検査も可能かもしれません) 実は私も診断をつけるときの奥の手として、見つかった病変の経過を観察して、一定期間にどのくらい大きくなるか、あるいはならないかを見て、悪性の度合いを見積もったり、がんという確証を得てから痛みを伴う検査に進む、という方法をとることがあります。とくに並存疾患を多く抱えていて検査の合併症で苦しむ可能性が高いときや、いろいろな理由で入院を避けたいときなどに提案します。待つ時間は、病状にもよりますが、だいたい2-3か月くらいのことが多いです。

もし腎盂がんだった場合に、シスプラチンを使用するかどうか...ということですが、患者さんがご高齢の場合や腎機能があまりよくない場合などには、いくら良い治療とわかっていても提案しないこともあります。施設によっては標準的な量から減量して行ったり、腎臓に少し優しいカルボプラチンに変更したり、あるいはゲムシタビンのみを行うこともよいかもしれませんし、積極的抗がん治療を行わないことも選択肢だと思います。
ぜひお父さまの大切にしたい生活も医師に伝えた上で、お互いがメリット、デメリットを話し合って決定できるといいですね。すぐに決められない場合は、少し時間をもらってもよいと思います。
焦らず、慌てず、諦めない、、、なにかのドラマで聞いたセリフですが、納得のいく選択ができるよう応援しています。
またお困りの際は、ぜひこちらにご相談くださいね。チーム一同、優璃さまのお父さまを思いやるお気持ちのなかのモヤモヤが、少しでも和らぐようお手伝いしたいと思っています。

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Re:腎細胞がんか腎盂がんかそれに伴い違う治療法
優璃(埼玉県) 2020/01/25
SS様
腫瘍内科医 近藤様

お世話になっております。
医療者の皆さま業務ご多忙の中、ご丁寧な回答をいただきありがとうございます。

最悪を想定した説明を最初にしなければならない医師も大変だと思うのですが、それを聞いた後、結果を聞くまでの間の日常生活に家族の心身の負担が非常に大きいです。
「まだ何も決まっていない」と本人が日常を普通にすごしているのが幸いです。
ここで気持ちを吐き出し、適切なアドバイスや説明を受けることで少しずつ家族は気持ちの整理をしています。

SS様
シスプラチンについて詳細な情報をいただきありがとうございます。
腎臓への負担は相当なものと理解しました。それでもQOLをなるべく下げない方法、教えていただいたWebサイトやPDFファイルなど印刷できるものはまとめておきます。
またノートにも必要なことをまとめて主治医に相談・質問いたします。
言いたいことは多分言えると思います。

近藤先生
今回もご回答をいただき嬉しく思っております。
尿細胞診には偽陰性というものがあるのですね。知りませんでした。生検がやはり確実なのですね。
肺は今回の検査ではじめて指摘されました。本当に小さいと主治医は言っています。ここは今後の成り行きを見守りたいと思います。
またシスプラチン以外の薬の情報ありがとうございます。少し希望が持てました。
診断結果が出たあとは、本人・家族が納得できるようによく話し合いたいと思います。

昨年、あるがん征圧イベントにおいて、3つの「あ」、その言葉を腫瘍内科医のK先生から直接教えていただきました。
が、いざ渦中にいると頭から吹っ飛んでしまって。また改めてこの言葉の意味をかみしめています。

父は家族のために一生懸命働いてきてくれました。今回のことがなければ、父以外家族全員ががんを体験しています。そのつらさは身に染みているだけにただ、父の体を守りたいと心から思います。
本当にありがとうございます。

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Re:腎細胞がんか腎盂がんかそれに伴い違う治療法
優璃(埼玉県) 2020/02/04
お世話になります。
尿細胞診の結果が出ました。Class2とのこと。
「偽陰性なのでは」と主治医に確認しました。
「大人しいタイプなのかもしれませんね」との回答。

MRI画像ではやはり腎盂がんを疑う病変がありとのことで明日から検査入院します。
昨年12月25日から今日まで、長い長い時間を過ごしてきました。
もうこれで結果が出るんだと思うと、解放される思いと結果を聞くのが恐ろしい思いで
胸が苦しいです。

主治医は腎盂がんが確定した場合、シスプラチン以外は考えていないようなので、
治療するために生きるのではなく、生きるために治療する、余命ではなく寿命まで生ききる、現状維持、QOLを保つをしっかり伝えたいと思います。

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Re:腎細胞がんか腎盂がんかそれに伴い違う治療法
SS(福島県) 2020/02/05
優璃様

看護師のSSです。書き込みありがとうございます。
今日から検査入院とのことで、お父様も優璃様も緊張されていることでしょうね。

これから主治医の先生をはじめとする医療チームでサポートすることになるかと思います。
この掲示板でも、気がかりなこと気になること、なんでもお気軽にご相談いただけたらと思います。

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Re:腎細胞がんか腎盂がんかそれに伴い違う治療法
優璃(埼玉県) 2020/02/08
看護師SS様

不安な思いに寄り添っていただきありがとうございます。
父は無事に検査入院から退院しました。食欲も旺盛です。
検査手術の日は家族の立ち合いが必要でしたが、どうしても仕事が休めず親戚に立ち合ってもらいました。

麻酔から覚めても痛みはなく、翌日には「退院するぞ」と元気なことを言っているので、少しホッとしています。
検査手術後は相変わらず、主治医から「厳しい状況です」など、
腎細胞がんか腎盂がんが疑われると言われたその日以降、腎盂がんの場合は
「厳しい。予後悪い、抗がん剤は高齢の体には相当に負担、成績も悪い」など最悪を想定した話をずっと同じことを聞かされ続けているので、親戚からの連絡に思わず「もう慣れた。」と言ってしまいました。
正直その時はもういいよと言う思いがしましたが、父本人も不安があっても一切家族には口にしないので、その思いに寄り添いたいと思います。

次の外来は1か月以上先。そんなに先なのとちょっとびっくりしましたが、なるべく考えないようにします。

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