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■ Japanese Medical Exchange Program2016 現地報告  
関係の皆様方の様々なサポートのおかげをもちまして、なんとかチームJME2016は、本日2016年9月1日、無事にHoustonに到着致しました!第一報は、尾崎 由記範(Ozaki Yukinori)がご報告致します。
忘れないうちに事務的な内容も書いておきます。
【成田空港にて】
特に困るようなことはありませんでした。ワインや日本酒、和風お菓子など、空港でたくさん買えますね。
【Houstonの空港にて】
いよいよ最初の難関(?)、入国審査がやって参りました。appointment letterがあること、WBを要求することをみんなで再度確認し、戦闘態勢に入ったのですが、なぜかESTAの機械のところでチームは2分されてしまいました。暫定的な結論としては、指紋の登録がうまくできなかった人とそうでない人に分けられた、ということになっています。この仕分けが正しいとすれば、KumikoさんとYumiさんが指紋取れた組、それ以外は指紋取り直し組で、待ち時間がかなり異なりました。私の方の指紋取り直し組は14時30分ごろに並び始めて15時30分ぐらいまでかかりました。審査では、appointment letterを見せて、"J-1かい?"と聞かれたので、"Waiber Businessが必要です"と答えました。そして、後ろに続くの4人の女性も同じチームで、全員WBが必要だ、と主張してみました。すると、気のいいおじさんで、"うんうん、わかったよ、MD Andersonには僕らもお世話になってるんだよ" くらいの感じで、何の問題もありませんでした。指紋優秀組も当然問題なく、結果的に全員トラブルなくWBと記載してもらい、ひと安心、空港をあとにしました。
【空港からKirby Placeまで】
出るとすぐに"MD Anderson"と書かれた紙を掲げた方を見つけ、大型高級車に案内していただきました。移動時間は30分くらいはかかりました。
【Kirby Place】
部屋はとても広く、きれいで、文句のつけようのないアパートです。ただし、真っ先に確認すべきは、トイレットペーパーがあるかどうかだということに後で気が付きました。。ない部屋もあったので、注意が必要ですね。
【夕食】
JoyceさんとJeffryさんが、近くのメキシコ料理店へ連れて行ってくださいました。メキシコ料理、日本人の味覚にはとても合うように思います。非常に美味しく頂きました。有難うございました。
【帰りにMarketへ】
帰りに、Kroger market placeに寄って頂きました。なんでも揃っているデカいスーパーマーケットです。今日から必要なものとして、最低限の水や食料などを入手しました。トイレットペーパーが部屋にない場合はこうしたチャンスで買っとくべきですね。
【明日の予定】
明日から遂にMDACCでの研修が始まります。とても楽しみです!明日は朝から院内を案内していただく予定です。
1日目の現地報告でした!ではまた!
|施設名:虎の門病院 |名前:Ozaki Yukinori |掲載日時:2016/09/02 14:07:57 |コメント数(52) |
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Re:Japanese Medical Exchange Program2016 現地報告
島さん、いつも考えさせられることの多い投稿、有難うございます!
私達、JME経験者はJMEを通じてチーム医療…だけでなく仕事や人生に対する考えを学んだとともに、その後も学び続ける身です。そのため、JME報告記は我々にとって、単にMDAでの思い出を懐かしむためのものだけではなく、MDAでの学びを思い出しつつ、さらに深い理解に持って行くためのものなのです。
そういう意味で、島さんの感じたこと・考えたことがたくさん記されている報告は、自分自身も改めて考えさせられると言う意味で大好きな投稿です!

あと1週間。発表も目前となり、余裕の無い日々でしょうが、思いついたできることはできる限りやって来て下さい!(言っちゃいけないかもしれないけど)申し訳ないような、無理なお願いも聞いてくれます!私もプログラムに無かった薬剤部の概要を聞かせてもらったり、発表後の2日間でJoyceに付いて外来をもう一度見せてもらったりしました。ヒューストンの美術館にも行きましたが(笑)
|施設名:群馬県立がんセンター |名前:藤田行代志 |掲載日時:2016/10/02 00:26:38 |
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Re:Japanese Medical Exchange Program2016 現地報告
とてもわかりやすいレポートをありがとうございます。
mentoringの考え方は、人材育成、組織力強化、発展のためにもとても重要だとわかりました。

"Soft stuff is the Hard stuff"(技術的なことではなく、人に関することが最も難しいことである)
わたしは大学院で看護師が働きやすい職場環境構築のために、物理的環境マネジメントを通して、人的環境を整えることを考えていました。
今回のレポートを拝見して、やっぱりそうなんだなあと思いました。

リーダーに必要な要素など先生方のお話は心に沁みますね。
わかりやすく伝えること、どんなにいいことをしても、これが一番難しいと思っていますが、日々悶々としながらも小さなチャレンジを続けたいと思います。ありがとうございます。
|施設名:大阪府立成人病センター |名前:山田眞佐美 |掲載日時:2016/10/02 08:15:02 |
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Re:Japanese Medical Exchange Program2016 現地報告
藤田さん
貴重なアドバイスとコメントをいただき、ありがとうございました。そして、当方の投稿がMDAでの学びを思い出しながら、さらに深い理解に持っていくことに役立っているのならば、当方にとってのこれ以上の誉め言葉はなく、本当にうれしく光栄です。

これからも、JMEの先輩後輩として、日本(と世界?!)の医療をより良くするための地道な活動仲間として、共に学んで行けたら幸いです。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
|施設名:北里大学医学部 |名前:島 久美子 |掲載日時:2016/10/03 01:37:08 |
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Re:Japanese Medical Exchange Program2016 現地報告
30日目
前日の神のようなブログの後で、何を書いていいやら悩んでいます。
これはもう神が降りてくるのを待つしかない、と思いましたが今日は10月1日。そう神無月の始まりです。神、無し。チーン。

さて、研修は4週間目の金曜日。最近は2グループに分かれて最終プレゼンテーションに向けてのグループワークをしたり、各自が興味のある分野の見学に行ったりしています。
私はこの日、Benign Hematology clinic(血液良性疾患外来)へ。がんセンターといえば悪性疾患の患者さんばかりなイメージがありますが、がん治療をされる患者さんが血栓症や出血性疾患などの良性疾患を合併されていたり、最近では免疫療法などの副作用として自己免疫性貧血や血小板減少症を合併されることもあります。決して花形ではないのかもしれませんが、これらをコントロールすることでがん治療を横から支えるというのも重要な役割だと感じました。
このClinicでは、血液腫瘍内科志望という優秀なレジデント2人が次々と患者さんを診察し、予診を取り、それをワークルームで指導医にプレゼンテーションし、最後に一緒に診察室に行って診察するというスタイルで診療が進んでいきます。
それぞれの患者さんが多彩な疾患背景を持ち、治験も含めた多種多様な治療をされている中で、知識を統合して診断、治療に結び付ける過程は見ていてとてもエキサイティングでした。またレジデントへの教育に関しても、きちんと文献を示しながら系統立てて説明されていて、わかっちゃいるけどなかなかできていない自分を反省しました。

日本でもよく「血液内科はなんだか難しそう」と言われますが、その原因は
@血液がんの治療は固形がんの治療とあまりにも違う。血液の常識は固形がんの非常識
A悪性疾患だけでなく、良性疾患にも稀少な疾患が多く、馴染みがない
B中でも凝固系のカスケードは見ただけで吐き気が…。
C重箱の隅をつつくようなことをやっている先生はだいたいみんな変わり者
ぐらいでしょうか。
天然記念物、絶滅危惧種といわれて久しく、近年の腫瘍内科隆盛の影に隠れてなんとなく日陰者の道を歩んでいる血液内科医ですが、裏を返せば他の診療科にはないスペシャリティーをいかして橋渡し役にもなり得るのだなと、今更ながらに思いました。変わり者上等!ただそれには、もっと周辺の知識を系統的に補う必要性を感じました。

午後はビザオフィスに行きチェックアウトの手続き。この楽しい時間がもうすぐ終わってしまうのが寂しく、少ししんみりしました。
そこから帰宅までの時間を利用して、グループワーク。私たちのチームは全員がMBTIのP person(かなりざっくりとまとめると、締め切りを気にしないひとたち)。徐々に発表の日が近づき、このままではやばいとようやくお尻に火が付いてきました。
その後、Joyceと上野先生、三浦先生に連れて行っていただきハッピーアワーに。こちらでは6時ごろまでの夕方の時間に軽くビールなどを楽しむという習慣があり、晩夏の夕暮れ時、ようやく少し心地よくなってきた風に吹かれながらおしゃべりを楽しみました。
実はそのままの勢いで帰宅後も盛り上がり、真面目で健康的な生活を送っていた私たちには珍しく深夜までの飲み会に突入。いろんな意味で思い出に残る夜でした。
さて明日、明後日はいよいよ最後の週末。少々二日酔いではありますがグループワーク、頑張ります!
|施設名:奈良県立医科大学附属病院 |名前:吉井 由美 |掲載日時:2016/10/03 02:00:13 |
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Re:Japanese Medical Exchange Program2016 現地報告
山田さま

コメントをいただき、ありがとうございました。

組織はヒトの集まり、特に病院は労働集約型産業であるため、ヒトは組織の財産であり、ヒトのマネジメントや人事戦略が重要になってきます。また日本を取り巻く様々な変化の中で、日本の医療政策が病院の機能分化や地域包括ケアを推進している今、多くの病院は何かしらの「変革」が求められていると思います。そのためには職種や職位に関わらず、コミュニケーション能力やリーダーシップ能力が必須であると考えております。

MD Andersonも長年かけて現在の体制、そして文化を醸成していったということを学びました。そして、それは様々なチャレンジに立ち向かいながら少しずつ改善している地道な努力の歴史の結果であり、華々しいreputationの裏にはどこにも負けないぐらいの血のにじむような努力があることを垣間見る機会となりました。
|施設名:北里大学医学部 |名前:島 久美子 |掲載日時:2016/10/03 11:00:22 |
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31日目
最後の土曜日の報告です。
前日の金曜日は遅くまで起きていたので、やや二日酔いの方もみられました。
お昼から Neelam と Theresa にアパートから連れ出してもらい、 local food という近郊で採れた新鮮な野菜などを使った料理を出しているお店に連れて行ってもらいました!量・質ともに満足度の高い美味しいサンドイッチをいただきました!
午後は Galleria というショッピングモールに連れて行っていただきました!とても大きな施設で圧倒されましたが、メンバーはそれぞれお土産など購入してきました。帰宅した後は、グループワークを少ししてから、残り物で夕食をとりました。最後の週末を過ごしていることにやや感傷的になりつつも、いつも通りみんなで過ごしているうちにあっという間に夜中になってしまいました。

個人的には、先週は金曜日に私の mentor である 病理医の Aysegul Sahin 先生とお別れのご挨拶をする機会がありました。この一ヶ月の間お忙しいのに、とてもよくしていただきました。 MDACC の病理は私の勤務する施設とは何もかも規模が桁違いなのですが、当然のことながら診断に関してやっていることは根本的には同じでした。一緒に顕微鏡を覗いて、質問をされたり質問したりという時間も作っていただき、貴重な体験となりました。それから、どこに行っても皆さんが進んで色々なことについて教えて下さったことが印象的でした。また、MDACC では特定の臓器の病理を専門としてやっていらっしゃる先生方がみえます。私の現状ではそれをそっくりそのまま日本に持ち帰ることはできないのですが、高い専門性を持ってお仕事をされている病理医の方々を目の当たりにしました。また上野先生との対話を通しても subspeciality の重要性を改めて認識する機会となり、今後のキャリアを考えるきっかけになったことは間違いありません。

私にとってのこの一ヶ月で一番の収穫はたくさんの人との有難い出会いであったと感じています。
上野先生や Sahin 先生をはじめとする US-mentors、JME のプログラムに関わって下さった皆様、そうではなくても院内・院外でお会いした皆様。
そして JME 2016 のメンバー6人。
この出会いを、これからもずっと大切にしていきたいと思います。

もちろん、そのほかにもたくさんの収穫はありました。
特に career development、leadership について、それからチームを育てるということについては、これからももっと理解を深めていきたいと考えています。

残り4日となりましたが、最後まで少しでも多くのことを学んで帰りたいと思います!
|施設名:昭和大学 |名前:田澤咲子 |掲載日時:2016/10/04 03:58:24 |
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Re:Japanese Medical Exchange Program2016 現地報告
とうとう最後の日曜日になりました。
午前中はclinical research nurseについて看護師の藤原さんのお家にお邪魔してお話を聞かせて頂きました。臨床研究が重要視され、世界的にもclinical research nurseが注目されています。臨床にいて臨床研究をすることのできる看護師がclinical research nurseです。臨床試験のスタッフには医療のバックグラウンドがないスタッフもおり、患者に関わらないスタッフもいます。
research nurseは新しい治療法の効果を試すなかにおいても、対象患者の視点に立ち、看護師として現在の患者と未来の患者の両方を守ることに貢献できるとのことでした。
そのほかにも私の考えを整理することや、自身のキャリア開発についてお話をするなかでメンタリングをしてくださいました。
ヒューストンに来てたくさんの出会いがありました。こちらでのご縁はどれも大切にしたいものばかりです。次に繋がるような関わりをこの先も続けていけるよう成長していきたいです。

本日午後は 最終週のプレゼンテーションの準備を各グループごとに行いました。
Bグループのテーマは骨転移になりました。
木曜日のプレゼンまで眠れない夜が続きそうです。
とうとう最終週です。
気を引き締めて最後まで広い院内を駆け巡りたいと思います。
|施設名:東京大学大学院 |名前:山上睦実 |掲載日時:2016/10/06 09:42:55 |
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Re:Japanese Medical Exchange Program2016 現地報告
JME34日目の報告です。

本日はgenetic counseling clinicの見学からスタートしました。
今回はBreastのgenetic counselingを見学しましたが、他の科にもカウンセラーがおり、Breastには6人、GIには2人、Endocrineには1人、Gynecologyには3人のカウンセラーがいます。
カウンセリング対象者の選択はNCCN guidelineに沿って行われており、遺伝子テストの結果によって治療方針が変わってくるような患者(術前の患者、臨床試験に乗せる患者)はurgent patientと呼び、優先してカウンセリングを行っているそうです。
Councelingの主な内容は家族歴の聴取、遺伝性癌の説明、遺伝子テストを受けるに当たっての同意取得でした。一人当たり大体20-40分の時間を要するそうです。
Genetic councelingが本格的に広まってきたのはここ数年のことで、遺伝子カウンセラーはアメリカでもまだまだ不足しているそうです。

午後はP&T(Pharmacy and Therapeutics committee)を見学させていただきました。P&Tとは、MDアンダーソンのフォーミュラリーに入れる薬剤を審議する委員会で、月1回行われ、1回の委員会で2-4薬剤を審議します。
Drug information department のClinical pharmacistと、レジデント1年目の薬剤師さんに連れられ、P&Tが行われるカンファレンスルームに行きました。レジデントの薬剤師さんは見学かな?と思っていたら、なんと、審議される薬剤についてプレゼンテーションを行っていました。他にも2人のレジデントがいて、他の薬剤についてそれぞれプレゼンテーションを行っていました。
前に薬剤師さんに薬の勉強法は?と聞いたらとにかくプレゼンテーションをすることだとおっしゃっていたことを思い出しました。情報を整理してまとめ、アウトプットする能力を徹底して鍛えている様子が伺えました。

この日の締めくくりは、念願のソフトクリームでした。ソフトクリームが食べられる場所があるとは聞いていたのですが、なかなか辿り着けておらず。この日、ついに食べられました。自分でカップにソフトクリームを絞り、たくさんあるトッピングの中から好きなものを選んで乗せられました。

夜は目前に迫る最終プレゼンテーションに向けて準備を行いました。連日夜遅くまでの準備で疲れも出てきていますが、メンバーで力を合わせ、良いプレゼンテーションができるように頑張ります。
|施設名:聖マリアンナ医科大学病院 |名前:松本奈都美 |掲載日時:2016/10/09 17:20:04 |
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High Preforming Teamをつくるために
5週間が経過し、明日が最終発表です。そして、本日が実質的な上野先生との滞在中最後の定例ミーティングでした。また、JME期間中の私の担当ブログも今回が最後です。

さて、本日の私にとっての学びは、
「High Preforming Teamをつくるために、MD Anderson(MDA)が行っていること」です。

そのための具体的なポイントは、以下の通りです。
・ Face-to-faceのコミュニケーションを密にとることにより実現している(トヨタ顔負け?!の)擦り合わせ文化
・ Mission/Vision/Goalsは三位一体(3つのうち1つでも欠けたらHigh Performanceは期待できない)
・ Mentor-Mentee制度の推進により、仲間を増やして協力的な文化を醸成し、燃え尽き症候群も防ぐ
・ 病院収入とMDAブランド向上に欠かせない主に“M.D., Ph.D.”の肩書を持つ集団である “Faculty”への手厚いリーダーシップ教育とサポート
・ 職員はFacultyも含めて直接雇用

今回は、主に最初の2点、コミュニケーションとMission/Vision/Goalsは三位一体について詳しくお話したいと思います。


《Face-to-faceのコミュニケーションを密にとることにより実現している(トヨタ顔負け?!の)擦り合わせ文化》

私がこの5週間研修をする中で驚いたことは、MDAではトヨタ顔負け?!と思うくらいの、Face-to-faceの擦り合わせ文化が醸成されていたことです。同時にface-to-faceのcommunicationを通して擦り合わせを行っていかないと、組織のMission/Vision/Core Valuesの本当の意味での浸透や、Performance Managementは実現できないのではないかという事を学びました。

私が、MDAに来て最初の頃から、職種(専門職・非専門職)・職位を問わずお会いした方々に色々と話を伺っていく中で、すごいなと感心していたことが2つありました。それは、私が話を聞いたほぼ全員から、「日常業務において最も大切にしていることはコミュニケーションである。(一方で、コミュニケーションは最大のチャレンジでもある)」という事と、「私が行っているこの業務は、MDAのcore valuesのこれにつながっている」などと自分の業務がどのようにMDAの組織全体としてのMission/Vision/Core Values/Goalsなどの上位概念につながっていて、組織に貢献しているかをそれぞれが自分なりに説明できたことでした。
私が感心した2点について、MDAではなぜ皆そのようなことを言っていて、そして、どのように実現していたのかについて具体的な例を以下に2つ書きます。

1つ目の例である日常診療業務について注目しても、外来クリニックを見学した際、その日の○○医師診療チーム(医師・medical assistant・nurse・nurse practitioner/physician assistant・pharmacist) が、Physician Work Roomという小部屋に一堂に会して診療を行っていきます。これにより、物理的にも対面でのコミュニケーションを促進しやすいシステムができているとも言えます。(アメリカでは、患者は診察室にずっといて、様々な職種が順番に患者の診察室へ入っていき患者の診療を行います。) 具体的には、アメリカの医療保険の関係での経済的なプレッシャーが大きいこともあり、賃金の安い職種から順に彼らができる範囲の患者の情報収集やアセスメントを行っていき各職種が次に患者に会いに行く職種(例えば、看護師→Nurse Practitioner→医師)に患者情報を引き継いでいきます。情報の引継ぎは、他のチームメンバーもいる小部屋で行うので、直接情報を引き継がれていないスタッフも必然的にその引継ぎ内容を聞いていますので、何か懸念事項があれば、いつでも引継ぎの会話に入って一緒に議論しています。これだけを見ていても、確かにコミュニケーションを常に円滑にすることを考えていないと、日常業務が地獄のようになってしまいそうです。

2つ目の例では、今度はもう少し視座を上げて、組織全体がコミュニケーションを通してどのように機能しているかを見てみようと思います。
MDAのトップであるPresident Officeが決めた組織戦略を組織のMission/Vision/Core Valuesとともに各Divisionへトップダウンでおとし、各Divisionはそれらに基づいてDivision Goalを設定し、そのGoalが組織戦略などとしっかりalignしているかなども含めて、President Officeの承認を得ます。各Divisionで設定したGoalはその下にある各Departmentへbreakdownして各Departmentは、各Division Goalに沿ったGoal設定をします。このようにして、最後は各チームのGoalから個人のGoalへと落としていき、組織全体で一つの目標に向かってPerformance向上に貢献していきます。このプロセスにおいて、MDAでは必ずinteractiveなコミュニケーションを通してかなりガリガリと擦り合わせを行ってくようです。例えば、manager-staff間では、原則として3カ月に1回はミーティングを行い、staffはmanagerに対して、自分の日々の業務がいかにしてMDAのMission/Vision/Core Valuesとつながっているか?そして、自分の今年度のGoalの達成具合などについて説明し、managerは、その上でstaffに対して何ができていて何が足りないので努力すべきかなどについて具体的にフィードバックを行わなくてはなりません。よって、年度末にstaffが自分のmanagerからの評価を知らないなどという事は許されないそうです。なぜならば、年間を通してmanagerは自分のstaffに対して常にmanager評価をstaffが理解できるように対面でフィードバックし、フォローしていることが前提であるからです。

よって、これらの状況からの私の学びは、ここまでガリガリギリギリと心も身体も擦り減るのではないかと思うくらいのface-to-face communicationを通して擦り合わせを行っていかないと、組織のMission/Vision/Core Valuesの本当の意味での浸透や、Performance Managementは実現できないのではないかという事でした。

そして、このようなシステムを機能させるために、管理職研修のみならず、コンサル機能を持つ人事担当者のサポート体制、そして組織内で唯一頂点まで出世できる資格があり、かつ各部門の多くでリーダーとして機能しているFacultyに対しては、若いころから特別なリーダー育成のための研修が用意され、時には非常に難しい状況でのコミュニケーションに対応できるだけの素養をとスキルを身につけるためのプログラムが準備され、さらに職位が上がれば、それに応じた教育・研修およびサポート体制が準備されています。


《Mission/Vision/Goalsは三位一体 −3つのうち1つでも欠けたらHigh Performanceは期待できない》

上野先生との最後のミーティングでの私の一番の学びは、Mission/Vision/Goalsは三位一体であり、3つのうち1つでも欠けたらHigh Performanceは期待できないという事です。
「チームのMission、Vision、Goalsを突き詰めて、かつそれがチーム内でしっかり共有化されないと続かない。かつ、定期的にこの3つを突き詰める習慣がないと、一瞬盛り上がって、何もできない。」という上野先生の言葉になるほどそうだなと改めて実感しました。

ここでさらに理解を深めるために、Mission・Vision・GoalsおよびCore Valuesの関係性について簡単に補足しようと思います。
・ Missionとは、あなた(またはチーム)の使命や目的を明快に説明し、あなたが誰で、どのように生きるのかを定義するもの。
・ Visionとは、あなた(チーム)のユニークで鮮明なまでに具体的なあなた(チーム)が実現している将来のイメージである。
・ Goalsは、あなた(チーム)のMissionを実施するときのチェックリストであり、かつ必ずSMART goalで書くこと。
SMART goalとは、goal設定をする際に必ず網羅している必要がある以下の5つの要素を示したもの。
   - Specific(具体的に)
   - Measurable(測定可能な)
   - Achievable(達成可能な)
   - Related(経営目標に関連した)
   - Time-bound(いつまでに目標を達成するか、その期限を設定する)

そして、これらのMissionに基づいたGoalsが達成された先には、Visionの実現があるかをしっかり突き詰めていく必要がある。ただし、このプロセスは、1人ではなかなかできないので、メンターや仲間と取り組むことが効果的である。

さらに、MissionやVisionを突き詰める際の、上野先生からのアドバイスは、多少「バカバカしい」と思うくらい、または「言って恥ずかしい」くらい突き詰めたモノを一度つくってみると良いとのことでした。ただし、何が「バカバカしい」のかを周りから理解されないと意味がなく、Uniqueさを追求する際、MissionかVisionかProcessのどれかが1つがUniqueであればよい。ただ何がどのようにUniqueなのかを周囲の人に分かってもらえるように説明できれば良いのである。

Core Valuesがこれらにどのように関与するかというと、何をMissionとし、何をVisionとし、どのようなGoalsを設定して、どのようなProcessで行うかの選択・意思決定の根幹になる概念である。よって、Core Valuesが明確にないと、意思決定がブレブレになってしまい、一貫性を失えば目指すところへ到達できないだけでなく、チームなどは崩壊の危機へと追いやられることとなる。

最後に、明確なMission/Vision/Goalsをもって邁進する際、Mentor-Mentee関係構築により仲間を増やすこと自体が推進力になるだけでなく、Mission/Vision/Goalsがどんどん明確になり、仲間がいることで燃え尽きてしまうことも防ぐことができるので重要である。また、反対しない人を大切にすることも何か新しいことを前に進めていく上で非常に重要なカギである。

約1時間強のミーティングを通して、こんな厳しくもあたたかいエールをいただき、「日本に帰国してからが、皆さんの勝負です!」とさらに最後に激励していただき、本日一日を終えました。


僭越ながら、私の個人的な経験からも、心が折れそうになったりしたとき、いつも周りの方々にたくさん救っていただき今日の私があります。今回の5週間は、さらにありがたい出会いを通して、様々な方から暖かく背中を押してもらい、また、素晴らしい仲間と出会い、仲間の輝きを少しずつ分けてもらい、刺激をたくさんもらいながら、自分を取り戻す旅になったと自負しています。この言葉にはできないほど有難い5週間を実現するためにサポートしてくださった皆々様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。この恩を忘れずに、皆様に直接、または社会へ少しずつですが、恩返しできるように精進して参ります。引き続き、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。またこのご縁を大切に今後も、地球のどこかで皆様とお会いできたら幸いです。
本当にありがとうございました!
|施設名:北里大学医学部 |名前:島 久美子 |掲載日時:2016/10/11 09:34:52 |
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Re:Japanese Medical Exchange Program2016 現地報告
最終週の木曜日のブログです。
この日はプロジェクトの発表日でした。午前中にはみんなで必死にプレゼンの資料を作っていました。
我々Aチームは、妊娠期乳癌のマネジメントについて、チームBは骨転移のマネジメントについて、でした。

準備を始めたのは4週間前、まず自分たちでテーマを決めるところから始まります。
こういうものはテーマをどのように決めるかが、まず1番大切ですよね。
Aチームは、病理医、看護師、薬剤師、腫瘍内科医の4人で、まずそれぞれのvision、mission、興味のある事を話し合うことから始めました。みんなが問題意識を持っていて、主体的に関わることが出来る分野を1つ1つ確認していきました。
一度は若年性乳癌(35歳未満)を対象とすることになりましたが、さらに話し合って行くうちに、妊娠期乳癌に焦点を絞ることになりました。各自がこの問題に対して、自分の専門性を持ってどのように関わることができるか、と考えながらテーマを絞って行く過程(2-3週間程度)が、このプロジェクトの最大の醍醐味だったと、振り返って感じます。我々は、みんなが納得のいくテーマに焦点を絞ることに成功しました。
その後は、プレゼンのアウトラインを決めて、分担し、それぞれの分担部分を準備し始めました。少し進めたところで止めて、全員でその内容を確認し、自分たちが今回本当に話したい内容に沿っているかを何度も確認しました。
メンバー全員がそれぞれの役割を果たしました。

・ どんどん自分の分担部分の勉強を進めて、スライドを作成し、他の人の手助けをする人
・ 出てきた問題に対して即座にUS mentorに相談し、あっという間にmentorからの返事を共有してくれる人
・ 少し進むたびに、全体の流れに合っているのか、全員が納得しているのかを鋭く見張ってくれている人
・ 大詰めの発表日前日に、風邪をひいて早々に寝る人...

それぞれがリーダシップを発揮して準備を進め、プレゼンに臨みました。
最終的には、我々としても納得のいく発表ができたと思っています。
でも終わりではありません。ここで発表した内容について、今後実際にResearchを行うために、さらに議論を重ねていかなければと思っています。

夕方には、Reception partyが開催されました。
それぞれのMentorの方々から、輝かしい修了証を頂きました。この会を通して、5週間楽しみながら学んできたことの大切さと、Mentorの方々の思いを感じることができました。このJMEに参加させて頂いたことのありがたみを痛感しました。
でも終わりではありません。ここからがまた新たな始まりなんだと、その賞状は語っているようでした。

翌日はついに最終営業日です。
|施設名:虎の門病院 |名前:Yukinori Ozaki |掲載日時:2016/10/12 00:27:27 |
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