掲示板「チームオンコロジー」

Bulletin board

EDUCATIONAL SEMINAR
Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
近藤千紘(名古屋第一赤十字病院) 2015/09/18
2015/9/17
皆様方の温かいご支援のもと、私たち6人は無事、最初の夜を迎えることができました。初回は名古屋第一赤十字病院の近藤がレポートさせていただきます。まずは成田空港から、千葉大の藤澤さんがエスコートしてくれたため、皆迷わず集合できました。United航空で成田を9/17の16:35に出発し、直行便でHoustonに到着したのは同日の14:45...14時間の時差なので、12時間のフライトでした。本日一番の重要案件である、Waiver Visaのビジネスでの入国は、鳥取大の陶山先生が先頭で強面の入国審査官に交渉してくれたおかげで、後ろに並んだ4人全員WBのサインをもらうことができました。用意していただいたリムジンタクシーで新潟大薬剤師の江面さんを途中でpick upしてアパートに向かいました。手続きで相当にお世話になったMarcyさんが待っていてくださり、お部屋を案内してくれました。2LDKの広い間取りで2人ずつシェアスタイルの住居です。近藤は岐阜大看護師の市成さんとの共同生活に決まりました。アメニティも充実しておりまたテンションアップ!夜はJoyceがメキシコ料理に連れ出してくださり、ナチョスをたらふくいただきました。ハラペーニョを頬ばったときの聖マリアンナ大薬剤師森田さんの真っ赤な顔がサイコーでした。さて、今日はそろそろ眠気に勝てなくなってきましたのでこの辺で失礼いたします。明日も7時にMarcyが迎えにきてくれます。これから5週間はりきっていきます!みなさまどうぞよろしくお願いいたします!
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
陶山久司(鳥取大学医学部附属病院) 2015/09/18
記憶があいまいになる前に投稿しておきます。入国審査の際にはappointment letterを審査官に提出し読んでもらいました。次にMDAからappointment letterを頂いた後に送られる入国審査の際の注意点が記載されたe-mailの内容を印字したものを審査官に見せながら説明し、medical trainee internであることを伝え、研修にはWBが必要であることも訴えました。更に、続く4人も同じ目的で入国することと、出国日程を伝えました。皆様から事前にご指導頂いていた対応法でした。ありがとうございました。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
向原徹(神戸大学医学部附属病院腫瘍センター) 2015/09/19
JME2015のみなさん

緊張の入国審査、無事に通過できて、ほんとによかった。
飛んでいってみなさんに混ざりたい気分です。

出国前は仕事が忙しかったでしょうから、きっとみなさん疲れていると思います。平常心でいるつもりでも外国ですから、テンパって通常では考えられないことを仕出かすこともあるので(経験談)、この週末はゆっくり休んでくださいね。

月曜日からは英語づけの生活です。時間の割りに疲れると思いますが、思う存分楽しんできてください。

向原
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
苅谷三月 (岐阜大学病院) 2015/09/19
無事に到着できてよかったです。安心しました。

5週間、思う存分楽しんできてください!(^^)!
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
江面 美緒 (新潟大学医歯学総合病院) 2015/09/21
遅くなりましたが、2日目のレポートです。
9/18
本日、全員無事にMDAにチェックインを完了しました。これで月曜日から皆で研修を受けることができます。

午後には日本人でDr.上野の元で研究をしている3人の先生方から、様々なお話を聞かせていただき、ここで生活をしていくためのアドバイスもいただきました。JMEに参加するにあたり、自分なりにMission/Visionを考えてきましたが、先生方のお話を聞いて、常にMission/Visionを念頭に置きながら行動していくことが大事なんだと改めて実感しました。

夜はWelcome receptionを開いていただきました。ここで全員各メンターに会うことができ、挨拶をすることができました。予め、研修内容の要望も提出してありましたが、ここでもしっかり要望を伝えておくことができました。時間は有限です。少しの時間も無駄にすることなく、ここで得られる経験や知識を吸収できればと思います。
いよいよ月曜日から本格始動です。楽しみです!
本日より、研修開始!!
市成 陽子(岐阜大学医学部附属病院) 2015/09/22
2015/09/21 
 今日は午前中に、MCB1建物内のVISAオフィスで研修手続きの残りを済ませました。CPB内のBrest Medical Oncologyへ向かっている途中、道の先の方にMarcyの姿を発見! 私たちを心配して、わざわざ迎えにきてくれていて、まだ知らないことだらけの私たちはとても安心しました。その後、Marcyから院内で使用できるPCを受け取り、自分たちのofficeやカフェなどを案内してもらい、MDでの初めてのランチ。まだ渡航後ファーストフードを食べていなかったこともあり、デザートにポテトを購入。ついつい食べ過ぎてしまいました。
 午後からは、PaulについてMDACCツアーに行きました。MDACCはとにかく広い! 歩きながら、MDの歴史や建物、配置されている部門など様々なことを教えてもらいました。あまりの広さと複雑さで、頭の中でなかなか地図が作れず一人では間違いなく迷子になりそうです。1時間45分に渡る、興味深いツアーでした。
 夕方は1時間ほど上野先生のお話を伺いました。アメリカにおけるチーム医療とは何か、テキサスにおけるMDの位置づけや医療制度、そしてMission&Visionについてでした。まだまだ、自分のMission&Visionが明確になっていないので、メンバーと意見交換をしながら考えていきたいと思います。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
陶山久司(鳥取大学医学部附属病院) 2015/09/23
9/22 午前中はGroup毎に外来見学をしました。主に外来化学療法を担当するMays Clinicという建物内でGroup AはDr. Dina Patel(Outpatient GI Clinic)の外来を、Group BはDr. Ueno(Breast Medical Oncology)の外来をそれぞれ見学しました。MDACCではPhysician毎に、Nurse, Nurse Aid, Nurse Practitioner, Pharmacist等でチームを構成して1部屋に集まっており、各患者さんの診察前に問題点や化学療法レジメンの確認など議論を行っていす。その後、患者さん・ご家族が待っている診察室にPhysicianが訪ねていくという方式で非常に新鮮でした。医療背景が違うとはいえ、診察直前に問題点の確認などをそれぞれの患者さんで行えることは大変羨ましく思えました。Group AはPharmacistにJME2015メンバーがついて見学をしたそうですが、Group BはDr. Uenoについて乳腺外来の診察を見学することができました。診察室では「化学療法をしたら放射線治療はしなくてもいいのか?」ですとか「(IV期でも)5-10年程度の生存が見込めるか?」など、日本でもよく耳にする質問があり、同じような悩みや苦しみを患者さん・ご家族は持っておられるのだなと改めて感じました。
午後からはJoyceによるNursing Lecturesがあり、講師はJoyce Neumann, Patty Johnston, Lisa Marsh, Kelly Brassilが担当して下さり、米国の看護師資格や専門看護師資格の講義を拝聴しました。これほどまでに専門性が高い看護師資格を有する方々であれば、もはや医師との差異はないのではないかというのが正直な感想です。午前中に興味のある外来見学の機会を頂けたためか、非常に短く感じる一日でした。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
向原徹(神戸大学医学部附属病院腫瘍センター) 2015/09/23
みなさま

本格始動しましたね。心身ともに「おなかいっぱい」な気分かもしれませんが、この際できるだけいっぱい食べてくださいね。

Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
森田 一 (聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院) 2015/09/24
2015/9/23
今日は午前中に病理部を見学させていただきました。スタッフとしては病理医の他にpathological assistantや標本を切り出すpathological technician、標本の染色を専門とするlaboratory technicianなど多くの職種が在籍していてまさにmultidisciplinaryで、サンプル提出から病理診断までの過程が非常に効率的であると感じました。また、MD Andersonには手術室に近接した病理部のサテライトがあり、迅速病理の結果を病理医と外科医が直接ディスカッションできる環境があることに驚きました。見学後は病理医のSahin先生より乳がんに関する病理の講義を受け、乳がんの病理学的分類や実際に使用されているマーカーの意味などを理解することが出来ました。
 午後は2チームに分かれての研修で、私たちのチームは乳腺外科医Gildy Babiera先生の乳房温存術を見学しました。手術の最後に行われた迅速病理では実際に検体の提出からその処理とX線を使用した腫瘍部位の確認まで一連の流れを見ることができ、午前中の見学内容をより深く理解することが出来ました。手術室内の薬剤部のサテライトでは、日本と同様に術中に使用する薬剤の管理を常駐する薬剤師が担っていましたが、その管理にはPyxisというシステムを使用しており、より簡便かつ効率的に使用薬剤を把握し補充する仕組みが導入されていることも学ぶことが出来ました。薬剤師としては病理、手術と普段はなかなかその全容を学ぶことができない分野における研修であり、非常に貴重な経験をさせていただいた1日となりました。明日はこの研修初のMentor/Mentee timeがあります。徐々に自分のMission/Vissionを明確にしていきたいと思います。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
藤澤陽子(CUH) 2015/09/25
9月23日木曜日
今日は午前中は移植病棟に行き、A TeamはNurse Practitioner とMultidisciplinary Teamを、B Team はRegistered Nurseとその活動を見学しました。午後は電子カルテの使い方のレクチャー、そして、最終プレゼンに関する説明を受けました。その夕方はそれぞれのメンターとミーティング。およそ1時間にわたり、つたない英語による話をじっくり聞いて、温かくそして示唆に富むアドバイスをいただきました。
到着から1週間が経ち、残りの4週間、学びをしっかり自分のものにできるよう頑張らねばと改めて感じた1日でした。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
近藤 千紘(名古屋第一赤十字病院) 2015/09/27
2015/9/25-26
金土は、連日Survivprship Conferenceに参加させていただきました。日本にいるときから参加をかなり楽しみにしていたものです。市内の大きなホテルの大ホールとロビーと会議室を貸切で開催され、参加者はがん治療中および治療後の患者さんとその家族(Caregiver)が中心でした。7:00に会場しContinental breakfastを食べながら、ホールで開会宣言。その後、会議室に分かれて教育セッションがありました。AMは、「がん患者と家族が知るべきワクチン接種」を、PMは「人生のCEO(Chief energy operator)になる方法」と「癌治療に伴う皮膚障害」を聴講しました。それぞれMDACCの感染チームのDr、作業療法士、皮膚科Drが熱弁し、会場から次から次へと浴びせられる質問に丁寧にわかりやすく説明していました。ホテルロビーには、30ほどのNPO団体やMDACC内の患者支援チーム(ほとんどがボランティア)のブースが並んでおり、ちらしを配布したり記念品を渡したり、お客さんも楽しそうに話しこむ姿が各所で見られました。
いまは2日目朝9時のオープニングセレモニー中ですが、400名近くのAudienceが集まっています。会場は熱気むんむん!と言いたいところですが、冷房がんがんで超寒いです。
いろいろな方に聞いてみましたが、このような患者さんのためのConferenceは、個人から企画に対する寄付で賄われているようで、MDACCは寄付したい人が寄付したい場所を選択して寄付できる仕組みを作っているようです。私の施設では、寄付を申し出てくださる方がいても、病院への寄付としてでしか受け取れないため、なかなか患者さんに還元してあげられないことが残念、と思っておりました。
この国のパワーの源や勢いがどこからくるのか、今後の時間をかけてもう少し迫ってみたいと思います。この時間を通して、自分のVISION、MISSIONもしっかり作ろうと思います。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
向原徹(神戸大学医学部附属病院腫瘍センター) 2015/09/27
「この国のパワーの源や勢いがどこからくるのか」、ほんとにそうですよね。
日本でもcancer survivorの社会参加は進んでいっていると思いますが、社会の中での存在感をもっと高めていくには、どうすればよいのか。
私が昔留学していた施設もそうでしたが、MDACCという施設が地域に愛されようとしていて、地域に人、患者さんもその施設を誇りに感じている→お金が集まる、という上手いサイクルができているのが、すごいですよね。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
江面 美緒 (新潟大学医歯学総合病院) 2015/09/29
今日は両チームともDr.BoraとPh.Jeffにお世話になりました。
Dr.Boranには乳がん外来を見せていただきました。女性の医師だからなのか、Dr.Boraの人柄なのか、患者さんは困っていることや今の気持ちなどを素直に打ち明けているように思えました。
Ph.JeffにはAチームは白血病病棟を、Bチームは薬局を見学させていただきました。日本では考えられないほどの数の薬剤師、テクニシャンが調剤に関わっており、規模はとても大きいですが、在庫管理の仕組みや抗がん剤の調整システムは日本と似ているところもあり、また内服薬の調剤システムは日本の方が勝っているのでは、と感じる部分もありました。
研修が始まってから、日本の病院にはない、MDACCのよいところのみを見がちでしたが、日本の病院にもMDACCに負けない部分もあるんだな、と少し母国を誇らしく思った1日でした。
チームでの病棟ラウンド
市成 (岐阜大学医学部附属病院) 2015/09/30
2015/09/29
今日は白血病患者の入院している病棟へのチームのラウンドに同行しました。チームは病棟担当のphysician、pharmacist、 Nurse Practitionerで構成されており、患者のベッドサイドに行く前に患者の状態を確認したり、投薬や採血項目の変更を行ったり、それぞれの立場から意見を述べて話し合いが行われていました。その後、チームで患者のところへ行き、患者状況を実際に確認し、治療状況や今後の方針についての説明や、患者の理解度を確認していました。そして、患者が少しでも気になることがないか必ず確認しており、患者に真摯に向き合っている医療者の姿勢が強く感じられました。ラウンドは毎日行われており、これを行う人と時間が充足していることに驚きました。しかし、このようなシステムはMDACCだからできるということもでき、日本では日本の現状に合わせ、最大限にmultidisciplinaryなチーム活動ができるよう考えていきたいと思いました。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
陶山久司(鳥取大学医学部附属病院) 2015/10/01
2015年9月30日

Group Bは手術室の見学でした。Babiera先生の執刀で午前1件、午後2件の手術がありました。8時集合で9時前には執刀開始になっていたと思います。
 午前の手術は乳房部分切除+センチネルリンパ節生検でした。Main Buildingでの手術では見学者は一度に2名までの制限があります。午前の手術は他施設からの見学者もあり、Group Bは交代しながら見学しました。摘出標本を手術部に隣接する病理部に提出するのですが、病理部での流れは事前にSahin先生から講義を受けていたので非常によく理解できました。1件目の途中で他手術室の対応のため1時間程度の待機時間がありました。
 午後は乳房全摘2件でした。2件とも両側摘出でした。詳細はお伝えできないものの、理由を伺うと非常に興味深い理由での手術でした。3件目の開始は16時を過ぎていました。Babiera先生には申し訳なかったのですが、帰りのバスの時間がせまり、術中にも関わらずお詫びして中座したのが19時前です。それでもBabiera先生から笑顔が絶えることはありませんでした。少々疲れましたが、誰よりも執刀医のBabiera先生が一番疲れておられると思います。Babiera先生、ありがとうございました。そして、お疲れさまでした。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
藤澤陽子(CUH) 2015/10/02
今日の午前中はAチームは婦人科外来、Bチームは放射線科の見学。午後は、Jeffのアレンジにより、みんなでclinical social worker, case manager, Pharmacy patient resourceの方からそれぞれお話をうかがいました。
MDアンダーソンでは、ソーシャルワーカーは、communityとつなぐこと、emotional support、advance directiveのサポート、中でもemotional supportがメイン。ケースワーカーは看護師資格持つ人が担い、退院調整などを行う。Pharmacy patient resourceでは、保険でカバーされないような薬剤が処方された患者のサポート。役割が細分化されており、手厚いサポートがあるということを知るとともに、医療保険のシステムの違い、困っている人がいたら助けるというマインドなど、文化的背景の違いも痛感した1日でした。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
森田 一 (聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院) 2015/10/04
2015/10/2

午前中は上野先生の外来を見学させていただきました。患者の診察はまずNurse Practitioner(NP)の問診から始まり、その内容をクリニックにて医師、薬剤師と共有します。医師はその情報をもとに患者の診察を行い、その後化学療法の導入時は薬剤師が詳細な説明をします。文章化すると日本での外来とほとんど変わらないように見えます。しかしながら、医師はカルテ記載や薬剤処方、検査や次回外来予約などの入力をすることなく、治療内容について患者と正面から向き合い診察を行っていました。これを成立させているのは医師、薬剤師、NP、PA(Physician Assistant)の職務内容のオーバーラップと各職種の役割の明確化にあると思います。最近では日本においても薬剤師が医師と結んだプロトコールの中で治療方法の立案やアウトカムの評価を行う共同薬物治療管理(Collaborative Drug Therapy Manegement)という概念が広がり、一部施設ではその取り組みが始められています。これをさらに広めて一般化していくためには、薬物治療に対する十分な知識獲得のための自己研鑽とそれを活かす場所である多職種チームの作成が必要であると感じました。残り3週間のJMEプログラムの中で、MDアンダーソンでどのようにして高機能な多職種チームが作られてきたか、そして高い知識レベルを維持するための各部署での教育体制についても学んでいきたいと思います。
Survivorship Clinic
近藤 千紘(名古屋第一赤十字病院) 2015/10/06
10月5日(月)
AM、Aチームは2回目の乳腺外科手術室、Bチームは2回目の乳腺腫瘍内科外来見学でした。PM、NsはNurse practicionerの外来見学、Bチームは化学療法センターの見学、Aチームは泌尿器腫瘍のSurvivorship clinicの見学でした。
私の参加したGU Survivorship clinicが非常に魅力的だったのでレポートさせていただきます。
小児がんのSurvivorship運動をきっかけに、5年前MDACCにも設立されました。Nurse practitionerの方が一人できりもりされていましたが、前立腺がん、膀胱がん、腎がん、精巣腫瘍、陰茎がんの方のためのSurvivorshipガイドラインを院内でも整備しており、それに準じた診療を行っていました。一連の化学療法や手術が終了し一定期間が経過した場合にCriteriaを満たすよう設定してあり、Survivorship clinicの患者になることができます。前立腺がん術後の尿失禁や男性機能の問題が浮上してこれば、専門の診療医を紹介したり、精巣腫瘍化学療法後の心機能障害のfollowを行ったり、生活習慣病の生活指導などをして採血でのフォローを行います。病的な状態となれば、一般内科医への紹介をするなど、患者さんとがん治療をつなぐ役割をする外来でした。専属のSchedulerもおり、患者さんがメールや電話で病院にアクセスし、自由に診察日を変えられたり、予約がとれたりする仕組みでした。
固形がんの治療が発達したため、寛解する患者さんが増えています。密度の濃い治療をうけたあとの生活について相談できる場所を、病院がつかず離れず提供し続けることができるのは優れた工夫だと思いました。
お恥ずかしいながら、NCCNにもSurvivorship guidelineが出ていることも教えていただきました。この問題もぜひ今後の課題にしたいと思いました。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
江面 美緒 (新潟大学医歯学総合病院) 2015/10/07
2015/10/6

私たちBチームは2回目の乳腺腫瘍内科外来の見学でした。1回目ではバケーションでいなかった薬剤師と、新人薬剤師がおり、前回よりも賑やかにみえました。今回見学させていただいた患者さんは、他院から移ってきた方で、これまで使用した抗がん剤の名前を覚えていませんでした。これは日本でもよくあることで、なんとなく名前は覚えているけれど、はっきりとは覚えていない、という患者さんはたくさんいると思います。MDACCでは、投与されている抗がん剤の名前を言えないなんて有りえないと考えるようです。患者中心のチーム医療を、なんて当たり前じゃないかと思っていましたが、何の治療をされているかも患者さんが覚えていないようでは、患者中心とは言えないのでは、と反省した1日でした。患者中心のチーム医療とはどういう医療なのか、もう一度考えながら、残りの3週間を過ごしたいと思います。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
藤田行代志(群馬県立がんセンター) 2015/10/07
JME2015の皆さん、お疲れ様です!研修も丁度、折り返し地点になり、毎日のワクワク感だけでなく、残された時間に対する焦りも感じ始めている頃かもしれませんね。
「MDACCでは、投与されている抗がん剤の名前を言えないなんて有りえないと考える」という話は、私たちも上野先生から伺いました。私も江面さんと同様に衝撃を受けたことを思い出しました。

皆さんのレポート、いろいろ思い出すきっかけにもなり、毎日楽しみにしています!くれぐれも身体には気を付けて、残りの研修も楽しみつつ、実り多きものにして下さい♪
Integrative Medicine
市成 陽子(岐阜大学医学部附属病院) 2015/10/08
2015/10/07
今日はIntegrative Medicineの部門の見学に行きました。Integrative Medicineとは、手術や薬物療法など以外の、鍼、メディカルマッサージ、音楽療法などのことを指します。アメリカでは医療制度が日本とは違いますが、患者が加入している保険によってはその範囲内で受けることも可能であると説明を受けました。がんそのもの、がんに対する治療などから生じる様々な苦痛を少しでも緩和できるよう、Integrative Medicineに関してもリサーチが行われており、エビデンスに基づいたケアが提供されていました。どの分野においてもEBMが重要であることを学びました。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
陶山久司(鳥取大学医学部附属病院) 2015/10/09
10月8日木曜日
B Teamは午前中は移植病棟に行きはNurse Practitioner とMultidisciplinary Teamについて見学しました。Nurse Practitionerは患者さんの血液検査データをチェックし、Multidisciplinary Teamの回診に同行し、各病棟ではRegistered Nurseのリーダーから多くの質問を受けます。更に、回診の内容を患者さんが理解しているかどうかを確認するために午後にはもう一度回診するそうです。思わず「どうやって時間を作っているのですか?」と聞いてしまいました。午後、B TeamはそれぞれがMentoringを受け、A Teamは最終presentationに向けた打ち合わせを多くのMentorを集めて行っていました。実質的な残りはあと2週間です。ご指摘いただいた”焦り”が次第に頭をもたげてきています。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
森田 一 (聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院) 2015/10/12
2015/10/9 
 午前は外来化学療法室の中にある薬剤部サテライトを見学させていただきました。患者のレジメンは外来チームのClinical Pharmacistが行い、主治医がサインをして成立します。その情報を元にサテライトではOperational Pharmacist (Staff Pharmacist) が別のシステムに内容を再入力し、さらに2人のOperational Pharmacistが入力内容を確認するという徹底したチェック体制により誤投与を防いでいるとのことでした。混注室では専門のテクニシャンが複数おり、安全キャビネットの中に設置された混注手順を示すパソコンの指示に従って調製を進めていきますが、各工程が記録として残り、最終的にそれをOperational Pharmacistが確認して払い出されます。調製においてはすべての薬剤に対して閉鎖式システムであるファシールが採用されており、またプレメディケーションなど抗がん剤以外の処方は別の無菌室で調製するなど曝露対策が十分になされていることがわかりました。本邦でも3学会合同で曝露対策ガイドラインが策定されたことを受け、自施設での状況を振り返り、さらなる対策を講じていかなければならないと思いました。
 午後は「仕事の効率化」と「仕事におけるStress, Burn out / Resilience, Work life balance」という2つのテーマに関して講義とディスカッションが行われました。日本人は「働きすぎ」とよく言われることがありますが、自分を振り返るとただ仕事が多いと理由ではなく、それをどう効率的に行っていくかを先に考えずに進めている部分があり改善の余地があると感じました。また、後半の講義ではResilienceという概念を初めて学びました。日本語ではレジリエンスとカタカナ表記され、回復力や逆境に打ち勝つ力という意味合いで使われます。それは鋼のような強さではなく、困難に対して肯定的に捉え、しなやかに感情をコントロールすることでそれを克服する折れない力であり、習得することができるとされています。JMEプログラムの大きな目的の一つであるvision/missionの確立のために、多くの先生から様々な指摘やアドバイスをいただきますが、それをどのように現在のvision/missionに反映させていくかということに深く悩むことも多々有ります。しかし、今日の講義を受けてこれもレジリエンスを鍛える一環になるのではないかと考えるようになりました。JMEでの様々な経験が将来出くわす困難に打ち勝つに力につながるようになればと思います。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
Yoko Fujisawa(CUH) 2015/10/13
いよいよ4週目に入りました。
来週のまとめに向けてグループ活動もお尻に火がついてきました。
今日は午後はBlood Bankに見学に行きました。
MDアンダーソンでは、年間約195,000件の輸血が行われるそうで、赤十字センターから購入は高くつくこともあり、病院のBlood Bankが3箇所あり、家族や友人などからの献血を募っています。
献血車で高校へも出向いており、献血の32%は高校生からの提供でまかなわれているそうです。
白血球輸血などの興味深い話もうかがうことができました。
夕方は、上野先生との定期面談。Mission・Vision、チームビルディング、メンター・メンティーについて、など示唆に富むアドバイスがとても染み入り、これまでを振り返りつつ、今後にmotivationをいただくとてもありがたい時間です。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
横田(なし) 2015/10/13
皆さん、毎日多くの学びと刺激を共有してくださり、ありがとうございます。
毎回興味深く読ませていただいております。

特に、「仕事におけるStress, Burn out, Resilience, Work life Balance」というテーマでのディスカッションを行ったとのこと、とても有意義な講義だったのだろうなと思いました。頭では理解していても、それを実際に自分の仕事に活用することはなかなか難しいですが、改めて意識することできっと少しずつ変わっていくのでしょうか。

多職種チームでどのように役割を担うか、だけではなくこういったことも多く学べることは貴重な経験だと思います。残りわずかですが、最後まで十分に楽しんでください。
10月13日(火) 陽子線治療センター
近藤 千紘(名古屋第一赤十字病院) 2015/10/15
Houstonは夜明けが遅くなり、肌寒さが増してきました。もう秋ですね。ハロウィンにむけて周りがそわそわしている感じが伝わってきます。
今日は、以前放射線治療科の見学でお世話になったLiao教授にお願いして、少し離れたところにあるMDACCの陽子線センターを見学させていただくことができました。
MDACCの陽子線センターは、2002年に構想が始まってから2006年に治療を開始、全米で4か所目の施設です。最近は、多くのエビデンスが出始めていることもあり、今年は16か所ですが、来年には施設数は倍以上に増える予定だそうです。
Medical dosimetristという職種の方が、院内を案内してくださいました。この職種は、Physicist(医学物理士)の資格をさらに細分化して制定されたようで、1996年以降数が増えているとのことです。放射線治療の治療計画に携わり、医学研究も行っていますが、医師と異なり患者さんの診察は行いません。
この施設では、4か所の照射装置を交互に使用し患者さんを治療しています。1人の治療にかかる時間は30分程度、日曜祝日以外は、朝4:00から夜0時まで稼働しているそうです。主に前立腺がん、頭頸部がん、肝がん、子供の腫瘍、肺癌、乳癌が多いとのことでした。1回の照射線量が多くできるのか?と聞いたところ、安全性の面から150-250cGy/frを採用することが多いと伺いました。日本では1回線量を多くする施設が多いようで、治療成績に違いがあるかもしれないとのこと、どこでどのようなプロトコールで治療したか、一口に陽子線治療といっても同じではない可能性があることを知りました。しかしこの陽子線治療は、今後、化学療法とのよいパートナーになってくれるのではないか、あるいは化学療法が陽子線治療の治療成績をさらに向上させる手伝いができるのではないか、と、今後にとても期待が持てる見学内容でした。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
江面 美緒 (新潟大学医歯学総合病院) 2015/10/15
今日の午後は、Nickがコンタクトを取ってくれて、Child Life Specialist(CLS)の方にお話を聞き、病棟内も案内していただくことができました。日本では馴染みの薄い職種ですが、がんになった子供やその家族の精神的負担を軽減することで治療をサポートしていく職種なのだそうです。子供たちがうまく治療を乗り越えられるよう、遊びを通して感情や自己をうまく表出することで、治療をサポートします。病棟内には、点滴をたくさんぶらさげた子供たちが、粘土を使った創作教室でCLSと楽しそうにお城や壺を作っていたり、廊下でCLSと一緒に足を曲げ伸ばしてリハビリをしていました。また、点滴の仕組みがよくわかるような、模型のPICCが挿入された人形などを使って、子供や親たちに治療への理解の手助けも行っているようです。
私は小児との関わりは日頃あまり関わりがなく、骨髄移植病棟で大人の患者に混ざって子供が一人で遊んでいるのを見かける程度で、このような職種があること自体知らず、存在を知った時はとても驚きました。
今回は時間がとても限られていて、お話を少ししか聞けなかったのが残念でした。
ちなみに、資格を取るには、大学や大学院で専門課程を修了し、病院でインターンシップをすることが求められます。日本でも認定制度はあるようなのですが、アメリカで専門課程を修了することが必須です。この職種が日本で広まるには、アメリカ留学するほどの熱意が必要で、まだまだ時間がかかりそうです。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
向原徹(神戸大学医学部附属病院腫瘍センター) 2015/10/15
みなさま

詳細なレポートありがとうございます。興味深く拝見しています。

10年前に比べると、日本のがん医療にもたくさんの専門職が関わるようになって、充実してきたなあ、と感じることも多いですが、確かに、まだまだこんな職種の方もいてくれたらなあ、と思うところもありますよね。

がん患者さんのニーズは、アメリカでも日本でもベーシックなところは変わりはないと思います。歴史的なことはよく分かりませんが、ニーズを吟味し、そのニーズに答えるべく専門家を育てていく土壌が、アメリカの方が熟成しているのかもしれませんね。全て、それが言い訳ではないかもしれませんが。

JMEも気づけば終盤ですね。お体に気をつけて最後まで楽しんでください。
がんになった親をもつ子供への支援
市成 陽子(岐阜大学医学部附属病院) 2015/10/16
2015/10/15
今日は、MDACCにおいて、がんになった親を持つ子供の支援を行っているMartha Achenbrenner氏にお会いしました。彼女は日本を含む様々な国でも講演を行い、子供を支援する活動をされています。私は過去に所属する部署で行われたカンファレンスにおいて、乳がん患者が自分のがんについて子供に伝えられていない事例に対する支援について検討を行ったことがあります。JME2015のメンバーの中でも、数人ががんの親とその子供に関する事例で悩んだ経験があり、事例の内容や対応についてメンバー間で共有しました。文献等を調べてみると、私たち医療者でさえこの問題について充分に知識がなく、患者自身がその重要性を知ることも困難な状況であることが分かりました。今日のMarthaとの出会いにより、日本におけるがんになった親をもつ子供への支援と、それに関する医療者に対する教育を検討するという、新たな課題を持つことができました。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
向原徹(神戸大学医学部附属病院腫瘍センター) 2015/10/16
最近、われわれの施設でも、未成年の子供をもつがん患者をサポートするプログラムができないか、話し始めたところです。
また、お話を聞かせてください。向原
19th Annual Interdisciplinary Conference on Supportive Care, Hospice and Palliative Medicine
陶山久司(鳥取大学医学部附属病院) 2015/10/18
10月16-17日の2日間は19th Annual Interdisciplinary Conference on Supportive Care, Hospice and Palliative Medicineに参加しました。個人的には患者家族のケアに重点を置いて講演を拝聴しました。Full codeの患者希望で気管内挿管後にDNARを話し合う際の家族の心情、親を亡くす子供の悲しみとレジリエンスなど話題は多岐に渡り、エリザベス・キューブラー・ロス氏の名前も講演のなかででてきました。「死ぬ瞬間」シリーズを随分昔に読みましたが、今読み直したら以前とは違う感想を持つのかもしれません。個人的には、がんと向き合うときにはどうしても治療のことばかりを考えがちです。Peaceプロジェクトは受講しているものの、それ以外の講習は勤務している施設で実施されなければなかなか参加できていません。患者家族への対応など、自身で対応しきれていない部分を他の専門職で補い合うチーム医療の重要性を再認識しました。
米国ではheart attackのリスクが高い患者71人に対してcardiologistは1人、新たに診断されたがん患者141人に対してoncologistは1人だそうです。一方、重篤または生死に関わる疾患を抱えた患者1200人に対してpalliative care physicianは1人しかいないそうで、領域の専門性や医師不足が報告されていました。外科系の研修医と比較した場合、放射線科・腫瘍内科の研修医は緩和ケアに対する意識が高いことや、緩和ケアの研修を受けることで自身の患者・家族対応ばかりではなく、他医からの相談にも対応できるようになることから、医学生教育や研修医指導に緩和ケアを必須項目とすることを提唱する報告がありました。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
森田 一 (聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院) 2015/10/20
2015/10/19
JMEプログラムが開始されてから毎週月曜日に1時間程度頂いて、上野先生とJMEメンバー6人でミッション、ビジョンの確立やメンター、メンティーのあり方についてディスカッションさせて頂いています。今日は主に後者に関するお話でした。自身のミッション、ビジョンを実現させるためにはまず第一に良いメンターを探す必要があります。メンターとなる人物はすべてが自分の専門分野と一致している必要はなく、むしろ違う分野でも自身の将来を真剣に考えてくれる方であればよいとのことでした。良いメンターと出会えたら、次に重要となるのはその関係をいかに維持していくかということです。特に連絡を取る頻度に関してはなるべくこまめにし、自身の近況報告をすることでメンターに常に自身の現況を把握してもらうことが良好な関係を継続させる鍵となります。たとえ良いメンターと出会えたとしても、メンティーから連絡を取っていかなければ基本的にメンターからのアプローチはありません。同じ施設内に良きアドバイザー(メンター)を持っていたのに連絡を取る間隔が徐々に空いてしまうことがこれまでの経験として私にもあり、気をつけていかなければならないと思いました。一方でメンターもメンティーが連絡や報告をしやすい雰囲気を作ることが重要とのことでした。今後、メンティーはもちろんのこと、将来的にメンターになる可能性も出てくるので、これらの注意点を常に忘れずに行きたいと思います。
 このような貴重な時間をいただけるのも今週の金曜日でいよいよラストを迎えます。いただいた言葉のひとつひとつが自身の財産となることは間違いなく、自施設に帰ってからもこれらを共有してこのような考え方を伝えていければと考えています。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
Yoko Fujisawa(Chiba University Hospotal) 2015/10/21
プログラムもいよいよ佳境です。
グループごとのプロジェクトに取り組みつつ、個人のmission/visionに向けてもラストスパート。それぞれの専門分野の方々にお会いしたり、個々での動きも増えています。
私は午前中、Nursing practice congressを見学しました。PACT (professional action coordinating team) という看護師たちの実践改善のための活動の発表会です。部署横断的にメンバーを募集し、かつ、他職種も活動および発表会の場に巻き込んでいるところにも、エネルギーを感じました。
スペシャリストたち個々の活動が高度なだけでなく、クリニカルナースとして部署で働くナースへの惜しみないサポートと評価システムが、さらに全体の質を上げているというよい循環が生まれており、ぜひこのような風土づくりをしていきたいと感じています。
10月21日 PT/OT 通院リハビリセンター
近藤 千紘(名古屋第一赤十字病院) 2015/10/22
早いもので5週目も終盤を迎えています。早朝、日没後の肌寒さが強まり、秋の訪れを感じます。(私たち以外の現地の方々はまだ半袖でも平気のようです)
本日は、がん治療後のリハビリテーションを行う部署を訪ねました。最初に見学させていただいたのは、脳腫瘍術後の患者さんで左上肢の感覚不全麻痺からドアで肩を挟んでしまい腋窩神経麻痺をきたしたため、運動療法を2週間行っていました。左肩が拘縮のために回内してしまうため、筋肉のもみほぐしと肩甲骨周囲筋の筋力強化と胸筋奥のインナーマッスルの強化を行っていました。本日でコース終了ということで、自宅で続ける運動メニューを伝授されていました。
MDACCのリハビリは、入院で30人程度のスタッフ、外来で9人のスタッフが配置されています。本日見学したエリアは通院専門の部署であり、必要となれば、2週間程度から最大8週間まで通ってもらいます。2-3回/週であるため、患者さんは付近のホテルに滞在するなど、入院ではなく通院主体で利用される方も多いそうです。本日の患者さんも、「これで家に帰れるわ。」と嬉しそうに話していました。
そのほか、乳がん術後のリンパ浮腫の初期段階の方に、リンパドレナージを実施していたり、骨髄移植で長期入院後や腎がん骨転移治療後の下肢廃用性筋力低下のリハビリもありました。Oncologyリハビリテーションは、自宅近くでも受けることができますが、やはり十分ではないらしく、通いたいと思う患者さんが多いのだそうです。

日本では、保険点数がとれても通院してまでリハビリをできる仕組みはなかなか整備されていません。固形腫瘍患者さんの増加に伴い、サバイバーシップという概念をもっと広め、社会全体でがん患者さんの暮らしをサポートできる世の中にしていきたいものです。
Japanese medical exchange program 2015 presentation
江面 美緒 (新潟大学医歯学総合病院) 2015/10/24
5週間が本当にあっっっという間に経ってしまい、プレゼンの日を迎えてしまいました。
この日のために、各チーム何度も吟味を重ね、メンターと議論をして準備をしてきました。毎日のスケジュールやヒューストンでの生活にも慣れてくると、それぞれ「この部署も見てみたい」「この先生の話を聞きたい」など個人の希望も増え、それぞれのスケジュールがぎっしり埋まっていっていたので、その中で3人が時間を合わせて一つのプログラムを作成するのは、とても大変でした。
幸い(?)、私たちのチームは大きなconflictがなく、壁にぶつかる時は3人一緒にぶつかって、3人で立ち向かっていくような感じでした。それぞれがそれぞれの立場でのリーダーシップを発揮できる、素晴らしいチームだったと思います。
自画自賛ではありますが、両チームとも素晴らしいプレゼンを発表することができ、ほっとすると同時に、これでJMEプログラムが終わるんだと、寂しい気持ちにもなりました。
この5週間、慣れない英語の環境で、それぞれのVision/Missionやcareerなどを考えたり、メンターやMDAの先生方とたくさん話をし、毎日体も頭もフル回転で動かしていました。Vision/Missionにこれ!といった最終的な答えがまだ出ていないメンバーもいますが、Houstonにくる前よりは確実に答えに近づいていると思います。Farewell receptonで、JanisにVision/Missionについては一生悩むことだと言われましたが、全くその通りで、これからも常に自分に問い続けていこうと思います。
企画をたててくださった日米のメンター、アドバイスをくださったJME2014の皆様、ありがとうございました!きっと、JTOPでは中身も外見(!)も1年前より成長した姿でお会いできると思います。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
濱嶋 夕子(海外在住) 2015/10/24
5週間のプログラム&プレゼンお疲れさまでした。JMEで様々なことに触れ、メンターやメンバー同士で充実した時間を過ごしている様子楽しく読ませていただきました。皆さんの学びや体験をこの掲示板で共有していただき、とても良い刺激になりました。特に、このところ日々に追われ、Mission/Visionについて改めて考える時間がなかったので、私も今一度、自分のM/Vについて問い直さねばと思っています。

12月のLeadership Academyで、皆さんの体験をたくさん聞けるのを楽しみにしてます。Have a safe flight!
HOUSTON HOSPICE
市成 陽子(岐阜大学医学部附属病院) 2015/10/24
2015/10/24
最終日の今日は、MDの近くにあるHOUSTON HOSPICEへうかがいました。こちらは入院と訪問の両方に対応しているホスピスでした。ヒューストンには60以上のホスピスが存在しており、使用する患者の多くは、心不全や腎不全などの慢性疾患の患者で、がん患者は5割に満たないと聞きました。日本でも在宅医療を行っている医療施設は以前に比べ少しずつ増えているように感じますが対象はがん患者に限られており、医療社会情勢の違いを感じました。ホスピス内には教会がありますが、宗教のシンボルとなるものは設置されておらず、ただ、患者、家族、親しい人達が静かに過ごすことができるための場所となっていました。また、小さい子供やペットの制限はなく、患者は自分にとって大事な存在とともに過ごすことができ、過去にはポニーが来ていたこともあったと聞きました。ホスピスを支えるのはPhysician、Nurse、Aid、Pharmacist、Chaplain、Social Worker、Volunteerなどと様々な職種があり、毎日Death Conferenceがおこなわれていました。今回のホスピスの訪問でも、一人の患者をあらゆるスペシャリストが、End of Life期の患者の尊厳をとても大切にしながら支援していました。私がお会いする患者の多くは治療期の患者さんですが、患者の状態にかかわらず、病患者のvalueを大事にし、がんとどう生きたいかということを尊重した医療を提供することが大切だと感じました。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
下村昭彦(NCCH) 2015/10/24
みなさま、5週間お疲れさまでした。きっと、充実した研修だったことでしょう。ヒューストンで吸収したことを存分に活かして、ご自身の施設内でのチーム医療と、そしてみなさんのキャリアデベロップメントに役立ててください。そろそろ日本への飛行機に乗るところでしょうか。気をつけて帰って来てください。研修報告を伺えるのを楽しみにしております。
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
向原徹(神戸大学医学部附属病院腫瘍センター) 2015/10/24
JME 2015のみなさま

5週間の研修、お疲れ様でした。
みなさんの、修了書を手にした写真をみて、とてもほっとされたのがよく分かりました。

今年は、興奮が冷めやらない間に、ワークショップがやってきます。みなさんとお会いして、お話できるのを楽しみにしています。

JMEも年々進化をとげ、みなさんが見て学ばれたことは、私(2009年)とはかなり異なっていると思います。他のJ-TOPメンバーも興味津々だと思うので、是非情報共有してください。

JMEはとても不思議な体験ですよね。成田空港でほぼ「初めまして」と自己紹介した人々と5週間寝食をともにする、なんてことはないですし、ずっと前から知っていたような錯覚におちいりますよね。

私自身の経験からは、J-TOPからの学びはワークショップ→JMEに終わらず、むしろこれからの繰り返しと、updateによって深まっていくと思います。みなさんとこれから一緒に仕事がしていけることを、とても楽しみにしています。

では、東京で。
気をつけて帰ってきてください。「家に着くまでがJMEです。」

向原 徹
Re:Japanese medical exchange program 2015 現地レポート
陶山久司(鳥取大学医学部附属病院) 2015/10/25
JME2015からの最後の報告です。皆様の温かいご支援を頂き、楽しい5週間を過ごさせていただきました。本当にありがとうございました。あっという間に時が過ぎ、出国の日を迎えました。今日は移動のみです。約1名は往路も復路もHouston空港と相性が悪いみたいですが(笑)、MDACCやHoustonで出会った方々の温かい人柄にすっかり魅了されました。JME2015では途中報告させていただいたSurvivorship Conferenceの参加者とメンバーが知り合いになり、一緒に食事に行けるという幸運もありました。その方のお話を伺うと、簡単には真似ができないほどの素晴らしいことをしてこられた方でした。「Houstonに来たら家に泊まりにおいで。」と言ってくださっているのでJME2015のうち数名は結構本気で考えています。特に終盤は毎日楽しい夕食会が続き(きちんとpresentationもしたのでお許しください)、JME2015のプログラムが終わってしまうのが本当に信じられません。これから各施設に戻り新しいチャレンジが始まります。Houstonで得たものを還元できるよう各自努力を続けます。皆様、本当にありがとうございました。