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卵巣がん再発、手術、抗がん剤治療
ゆう(熊本県) 2009/12/09
はじめまして、2006.2にステージⅡcで手術をしその後、TC療法6クールで寛解し、2009.3左脚付根リンパ節に再発し5月に手術、その後TC療法を6クールの予定でしたが、2クール目でカルボプラチンにアレルギーが出たため、タキソール単剤にて治療を続けてきました。
しかしその効果が無く11月にまた傍大動脈リンパ節に1.5cmの再々発が確認されました。また手術をする事になり、その後の抗がん剤に何を使うかが問題になっております。
初発でリンパ節郭清をしていないので、リンパ節への転移・再発になっている様です。
主治医からは「5月の手術の効果はあったので今回もリンパ節郭清を含めて手術をし、その後の抗がん剤を考えて行きましょう。」と言われております。
白金製剤の1種類でアレルギーが出たら、他の白金製剤は使用できないのでしょうか?使いにくいのはあると思いますが、再発には白金製剤に感受性がありガイドラインには、「カルボプラチンでアレルギーが出てもシスプラチンにはアレルギーを起こす可能性は低いとの報告がある。」とも書いてありました。
主治医からも「シスプラチンも検討する。」と言われてはいます。
カルボプラチンでアレルギーが出たときもシスプラチンをとお願いしたのですが、「タキソールの効果が大きいと思うから」と言われ治療を続けましたが、その見込みがはずれて再々発。
腫瘍内科の専門医がいない中で婦人科の医師が抗がん剤治療まで決めているのが現状です。
今後、残された治療法を腫瘍内科の専門医の立場からお願いします。
がんのタイプは奨液性腺癌です。

   
Re:卵巣がん再発、手術、抗がん剤治療
hiro(東京都) 2009/12/11
ゆうさん

私は医師ではありませんが、薬剤師としてアドバイスできることがあるかと思いましたのでコメントをさせていただきます。

まず、カルボプラチンでのアレルギーですが、どのような症状だったでしょうか?カルボプラチンを始める前に使われていた吐き気止めやアレルギー止めが解れば教えていただけますか?

白金製剤については脱感作(減感作)療法といって、お薬を非常に濃度を薄くした状態から時間をかけて点滴を行い、徐々に濃度を濃くしていきアレルギーを回避しながら目標の量を投与する方法があります。投与にかかる時間は1日がかりになってしまうと思いますがこういうやり方もあります。
Re:卵巣がん再発、手術、抗がん剤治療
ゆう(熊本県) 2009/12/14
hiroさん

コメントありがとうございます。
抗がん剤の前に副作用を抑えるために使われた薬剤については私共の勉強不足で確認しておりません。申し訳ありません。
大学病院なので一般的なものだと思いますが、TCについてはどのようなものを使っているのでしょうか?

妻のアレルギー時の状態ですが、タキソールを投与後、カルボプラチン投与に移ってすぐに意識が少し朦朧になってきて「これはやばい」と思いナースコールをし、後は「医師と看護師数名でバタバタしていた」と言っております。
意識はあったものの、「どうされているかはわからなかった」とのことです。

私が駆けつけたときには酸素吸入をしておりましたが、容態は落ち着いており意識もしっかりしておりました。

担当医からは、アレルギーが出る可能性があることは聞いておりましたが、トータルで8回目と言う中央値にあてはまってしまいました。

来年1月には3度目の手術を行いその後、塩酸イリノテカン・シスプラチンを使用して治療を行うと言われております。

タキソール単剤での効果がなくなった以上シスプラチンを使わざるを得ないと言われました。
しかし、またアレルギーが出る可能性は否めないとの事です。

次回からは副作用がきつい抗がん剤を使うため完終出来るか不安でいっぱいですが、妻自身も前向きに治療しようと思っておりますので、妻の体を信じ見守って行きたいと思います。

次回からの治療で、プラチナ系のアレルギーを抑えるものや副作用を少しでも楽にするために使用できる薬があったらアドバイスをお願いいたします。
Re:卵巣がん再発、手術、抗がん剤治療
hiro(東京都) 2009/12/15
ゆうさん

コメントありがとうございます。
また、詳しい状況を教えていただきありがとうございます。

TC療法で使用される吐き気止めは5HT3受容体拮抗剤と呼ばれるお薬とステロイドホルモン剤、併せてタキソールのアレルギーを抑えるために抗ヒスタミン剤を使用することが一般的です。

TC療法でアレルギーが起こり、タキソール単独療法は何とか乗り越えてこられたことを考えるとプラチナ製剤に対するアレルギーの可能性と考えてよいと思います。

アレルギー症状のご様子からするともう一度同じ症状が起こる可能性がある薬剤を再チャレンジすることはためらわれると思います。

ゆうさんがご心配されているように、カルボプラチンからシスプラチンに変えても同様のアレルギーが生じる可能性は否めません。

このアレルギーは体の免疫反応によるものと細胞から出てくるヒスタミンというアレルギーの原因物質によるものといわれています。
そのため、予防には副腎皮質ステロイド剤と抗ヒスタミン剤を用いるわけですが、TC療法では、この2つのお薬はあらかじめ使用されていたと推測されますので、シスプラチン+イリノテカン療法の場合にこの2つの薬を使用すれば「安心」とは言いがたいところです。

前回ご紹介した脱感作(減感作)療法は、カルボプラチンでは上手くいくことが教科書的にも知られているところでありますが、タキソールでの治療が難しい状況であればTC療法の再チャレンジは難しいですね。

ただ、このやり方を応用してアレルギー予防のお薬をしっかり使った上で白金製剤の投与時間を通常の時間よりも長く(ゆっくり)点滴する方法でアレルギーを予防できるかもしれません。

これから手術ということですので、薬での治療が始まるまでにもう少し時間があるかと思いますので、是非、担当の先生とご相談されてより安心して治療が受けられるようになることをお勧めします。

ゆうさんの奥様は、ゆうさんのようなサポーターがいらっしゃるので、さぞ心強いこととお察し致します。私も陰ながら治療が上手くいくことを心よりお祈りいたします。
Re:卵巣がん再発、手術、抗がん剤治療
上野  直人(海外在住) 2009/12/16
こんにちわ。ちなみに、本当にあなたの主治医はは治療オプションが無いと言っているのでしょうか。

もし、ゆうさんがお元気で普通の生活をされているなら、セカンド・オピニオンを求めることをおすすめします。non-platinum based だけでも、Docetaxel、 oral Etoposide, Gemcitabine, Liposomal doxorubicin, weekly Paclitaxel, Pemetrexed, Topotecanなど様々な治療が浮かびます。また抗ホルモン製剤も考えられますので。主治医とよーくもう一度オプションを考察する必要があるのではないかと思いますが。また、第1相臨書試験も考慮するべきだとおもいますよ。

もう一度主治医の何を話しをしたのかを教えてください。
Re:卵巣がん再発、手術、抗がん剤治療
ゆう(熊本県) 2009/12/16
hiroさん 上野先生

コメント、アドバイスありがとうございます。

まだまだ色々と打つ手があるという事は本人・家族にとって心強いです。

プラチナ系ではやはりアレルギーが出てしまいますかね~?

「再発卵巣がんではプラチナ系製剤に感受性を示す。」と良く聞きますので、出ないことを願うばかりです。

また、今後の治療法についてはアドバイス頂いているような事を主治医にじっくりと相談してみたいと思います。

治療法については、婦人科はセクトが強くて他科とあまり交流しないと聞きます。
とても残念なことですが、婦人科医が片手間で抗がん剤治療をやっているようなもので、腫瘍内科医が日本では圧倒的に不足していると言う現実もありますが、数限りある薬を有効に使ってほしいものです。

イリノテカンとシスプラチンは副作用がきついと聞きます、妻の身体が完遂出来ることを願ってやみません。

セカンドを取って今後の治療法も検討したいと思います。

アドバイスをいただける事に深く感謝すると共に今後ともよろしくお願いいたします。

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