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患者と医療者のコミュニケーション
74歳の母の乳ガン(トリプルネガティブ)について
ウゾエブ 智美 (静岡県) 2013/06/06
4月15日無事温存手術が終わり、現在放射線治療3週目です。

○湿潤性乳管ガン/病期ステージ1
○しこりの大きさ13ミリ
○リンパ節転移なし
○ホルモン受容体なし
○HER2/FISH法検査により陰性
○組織学的悪性度:2
○切除断箸:マイナス
○脈管侵襲:プラス(40%)

病理結果でリンパ節に転移がなく、しこりも13mmだったので
ステージ1と診断されたのに、
脈管侵襲:プラス(40%)だから非常に転移の確率が高いと言われました。
増殖力も高いタイプで、抗がん剤は必須との事でした。

知りたい事は
○リンパ節には転移がないのに、脈管侵襲:プラス(40%)だと
再発率に違いはでますか?
※リンパ節に転移がなく、ステージ1との事で、ほっとしていたのに、
すでに血管、リンパ管を通りガン細胞が全身に回っているように言われショックです。

○リンパ節への転移と脈管侵襲の違いは何ですか?

母の年齢も合わせお答え頂けると幸いです。
母は身長160センチ39キロと
華奢で体力がない事が、抗がん剤治療に対する不安です。

   
Re:74歳の母の乳ガン(トリプルネガティブ)について
KEN(愛媛県) 2013/06/17
四国の乳腺外科医です。大変おつらい状況ですね。何とかお力になれればと、分かる範囲でお答えしたいと思います。
 脈管侵襲(リンパ管、静脈への侵襲)は、術後生存期間や転移と密接に関係する予後因子と言われており、スイスのザンクトガレンで開催される術後補助療法を決めていく国際会議でも、この2つは重要な予後因子として2005年以降取り上げられています。例えばリンパ管侵襲陽性の程度が強ければ、たとえリンパ節転移が陰性であっても温存後、乳房内再発が多いと言われており、乳房内多発浸潤や乳房内再発に関与します。
 静脈侵襲は静脈を介した遠隔転移(肺、肝、骨、脳)のリスクを高め、リンパ管侵襲とは別の独立した予後因子と言われています。しかしこれら脈管侵襲の評価法、基準には世界でも確定したものはありません。したがって脈管侵襲に関しては評価法があいまいということもあって、まだTNM分類でいわれている腫瘍径、リンパ節転移、遠隔転移ほどは十分コンセンサスは得られていないというのが現状ではないでしょうか?リンパ節転移は明らかな予後因子ですが、リンパ節転移陰性だけで決めるのではなく他の因子も考慮して、術後補助療法をするか決定をすべきと思います。その他の因子のうち重要な因子が脈管侵襲ということになります。今回の脈管侵襲が40%というのは高いと判断していいと思います。抗がん剤投与をお勧めしたいところですが、お母様の場合、高齢で体が小さく、体力的に不安、というところが大変おつらいですね。ほかに疾患でもあればますます化学療法をするのは躊躇しますね。術後補助療法ですので、何とか決められた量は投与する方がいいと思いますし、するべきなのはわかっているが、本当に可能かという問題になります。再発したらどうなるか、化学療法をしたらどうなるか十分シミュレーションされ(するならレジメンはどれにするのか)、十分にお体のチェックをされたうえで、主治医と相談して決められたらいいと思います。お答えになりましたでしょうか?
Re:74歳の母の乳ガン(トリプルネガティブ)について
ウゾエブ智美 (静岡県) 2013/06/22
KEN様

ご回答ありがとうございました。
お礼が遅くなり、申し訳ございません。

初め地元の開業医で乳ガンが見つかったのですが、
そこでは手術の設備がない為
電車で30分程離れた、
総合病院を紹介してもらい手術をしました。
主治医からは

●タキサン+アンスロサイクリン…半年
●タキサン…3ヶ月
●飲み薬(UFT)…2年
●無治療

上記4つ示されましたが

抗がん剤治療は、地元の開業医で行う事になっており
(総合病院の負担を軽くする為の病院内の連携??)
地元の開業医に行った所、
無治療はあり得ない、飲み薬も意味がない、と言われ混乱しました。

KEN様のアドバイスに従い『主治医である総合病院の先生』と
良く話し合い、もう一度考えたいと思います。

本当にありがとうございました。



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