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治療とその選択
乳癌のKi-67値
まき(東京都) 2013/11/12
ki-67値について教えてください。
自分なりに調べてみました。

(1)ki-67は、癌の細胞増殖(進行スピード)を示すマーカーで、腫瘍の悪性度と正の相関関係を示すことが認められている。

(2)Luminal AかBを判断するのにki-67(増殖関連遺伝子)の数値が高いかどうかが関わってくる。

この(1)と(2)の理解でいいのでしょうか。他に何か情報がありましたらご教示ください。

また、ki-67に関して質問がございます。

(3)病院によって病理結果がki-67、または、MIB-1で示される場合がありますが、これはどのような違いがありますか。
<例>ki-67:50%だった場合は、MIB-1:50%と読み替えができるのでしょうか。

(4)そもそもki-67の最低値、最高値はどのぐらいなのでしょうか。50%などと数値で表されますが、50%の意味するところがよくわかりません。友人Aさんは、Ki-67が90%だったそうですが最高値は100%ですか。

(5)ki-67は15%以上で高値とみなされ、Luminal-B型かどうか決まるのですか?15%という数値は世界共通なのでしょうか。

(6)術前に細胞診ではⅢとⅣだったので組織診で悪性度1、センチネルは陰性でした。術前化学療法後の病理結果でも、悪性度は1で、ki-67が50%でした。
上記(1)に「ki-67は悪性度と正の相関関係を示す」と書きましたが、これは悪性度が高いほど、ki-67も高い数値を示すことだと考えているのですが、私の場合は、術前化学療法をしたので手術時の病理結果に悪性度の低い細胞しか残っていなかったのか(←こうのように考えることができますか?)、悪性度は1であったもののki-67は非常に高い数値を示していました。
このように悪性度とki-67に相関関係がない場合もあるのでしょうか。現時点の研究では、この点はどの辺りまで明らかになっているのでしょうか。

(7)術前は腫瘍の大きさやホルモン感受性が共に高値、Her2(-)でLuminal-A型と思っていましたが、ki-67が高値のため、Luminal-Bとわかりました。その場合、術前化学療法に加えて、術後にもまず化学療法をやるのが推奨されているのでしょうか。それとも、術前に化学療法をやっているので、ホルモン療法を術前におこなう方が多いのでしょうか。
術後の治療を考えるときに、どんな因子を考慮して主治医を治療方針を決めればいいでしょうか。

(8)ki-67が高いとそれだけ再発の可能性が高くなると考えていいのでしょうか?
ki-67の再発リスクの因子の位置づけ(重要さ?)はどう考えればいいでしょうか。例えば、腋窩リンパの転移数、脈管浸潤の程度など他の再発リスク因子と比較してどのくらいki-67の比重は大きい再発因子なのでしょうか

(9)友人BさんはLuminal-Bで手術時病理検査ki-67:55%でした。<腋窩リンパ転移なし、ホルモン感受性高(ER+80%・PgR+50%、Ⅱb(3cm×3cnの腫瘍)、悪性度2>、術前化学療法後TCを実施したので、術後はホルモン療法をおこなっておりましたが残念なことに3年後に遠隔転移が見つかったそうです。Bさんたっての希望で遠隔転移部分の細胞診をおこなったとき、ホルモン感受性はER+60%(術時より-20%)、PgR+20%(術時より-30%)、ki-67:35%(-20%)でした。初発と再発では、病理検査の結果が異なる(癌の性質が変わる)ことがあるとは聞いていますが、術時より転移時の時の方がki-67が低くなることもあるのですか? 低いといっても35%はいずれにせよ高い数値なので、数値の上下は関係なく、15%ぐらいを境界線にただ、ki-67の発現が高いか低いかだけを見ればいいのでしょうか。

(10)これから先も長い期間、術後治療をおこなう身としては、治療によって、術時病理検査でのki-67:50%が下がってくれることを願っているのですが、再発しない限り検査の方法はありませんが、治療が効力をはっきすれば、ki-67の数値も下がると考えていいのでしょうか。

長々と質問してしまい申し訳ありません。
乳がん患者同士で会う時も、ki-67のことが話題にあがります。自分のカルテ開示などができるようになった一方で専門的な用語や、数値に惑わされていると感じることがあります。
そういったものに惑わされないように、正しい知識をもって治療に望みたいと思います。しかし、限られた診療時間内で先生にお聞きできることには限度がありますし、本やインターネットで溢れている情報の精査と整理も思うようにできないこともあります。患者同士で話していると、解釈が違うこともあり、正しい知識を知ることの重要性を改めて感じています。
こういった信頼できる掲示板があることに本当に感謝しています。

Re:乳癌のKi-67値
向原徹(兵庫県) 2013/11/12
まき様

神戸で腫瘍内科をしています向原と申します。分かる範囲でお答えしようと思います。

(1)ki-67は、癌の細胞増殖(進行スピード)を示すマーカーで、腫瘍の悪性度と正の相関関係を示すことが認められている。

(2)Luminal AかBを判断するのにki-67(増殖関連遺伝子)の数値が高いかどうかが関わってくる。

この(1)と(2)の理解でいいのでしょうか。他に何か情報がありましたらご教示ください。
→そのご理解でよろしいかと思います。

また、ki-67に関して質問がございます。

(3)病院によって病理結果がki-67、または、MIB-1で示される場合がありますが、これはどのような違いがありますか。
<例>ki-67:50%だった場合は、MIB-1:50%と読み替えができるのでしょうか。
→ki-67とMIB-1は同義語として考えていただいてよいと思います。ki-67を測定するためには抗体というものが必要ですが、その抗体の一種にMIB-1という名前がついています。MIB-1は非常によく使われる抗体のため、既にゴールドスタンダードとなっているため、ほぼ同義語に使われています。

(4)そもそもki-67の最低値、最高値はどのぐらいなのでしょうか。50%などと数値で表されますが、50%の意味するところがよくわかりません。友人Aさんは、Ki-67が90%だったそうですが最高値は100%ですか。
→がん細胞を一つ一つカウントして、何%の細胞がki-67陽性であったかを示しています。そのため、理論的には0-100%になりますが、がんの組織で0%というのはまず経験しない数字ではあります。

(5)ki-67は15%以上で高値とみなされ、Luminal-B型かどうか決まるのですか?15%という数値は世界共通なのでしょうか。
→この辺りは非常に議論のあるところで、まだ国際的なコンセンサスがえられていません。今後、ki-67の測定方法、評価方法の統一がなされる必要があると思います。

(6)術前に細胞診ではⅢとⅣだったので組織診で悪性度1、センチネルは陰性でした。術前化学療法後の病理結果でも、悪性度は1で、ki-67が50%でした。
上記(1)に「ki-67は悪性度と正の相関関係を示す」と書きましたが、これは悪性度が高いほど、ki-67も高い数値を示すことだと考えているのですが、私の場合は、術前化学療法をしたので手術時の病理結果に悪性度の低い細胞しか残っていなかったのか(←こうのように考えることができますか?)、悪性度は1であったもののki-67は非常に高い数値を示していました。
このように悪性度とki-67に相関関係がない場合もあるのでしょうか。現時点の研究では、この点はどの辺りまで明らかになっているのでしょうか。
→組織学的悪性度とki-67の間には確かに相関があるのですが、実際にはまき様が経験されたように、悪性度が低いのにki-67が高い、あるいはその逆ということは経験されます。私も詳しくないのですが、ki-67は腫瘍の塊の中で最も沢山の細胞が染まっているエリアで評価するのに対して、組織学的悪性度は最も広いエリアを占める「がんの顔つき」を評価していることも関係しているかもしれません。

(7)術前は腫瘍の大きさやホルモン感受性が共に高値、Her2(-)でLuminal-A型と思っていましたが、ki-67が高値のため、Luminal-Bとわかりました。その場合、術前化学療法に加えて、術後にもまず化学療法をやるのが推奨されているのでしょうか。それとも、術前に化学療法をやっているので、ホルモン療法を術前におこなう方が多いのでしょうか。
術後の治療を考えるときに、どんな因子を考慮して主治医を治療方針を決めればいいでしょうか。
→術前、術後の化学療法は、昨今では①アンスラサイクリン系薬剤、②タキサン系薬剤、がよく用いられますが、①、②を術前に使っている場合、術後に第3のお薬を使って化学療法を更に追加することは日常臨床ではあまりされません。ホルモン陽性乳癌では、ホルモン剤のみ術後に飲んでいただきます。もちろん、最初から、術前と術後に手術をはさんでサンドイッチするような形で化学療法を計画する場合もありますし、①のみを術前に使っていて、手術時に残っていた腫瘍の具合から②を術後に追加することを決める、というのも日常診療ではされるかもしれません。いろいろなケースがありますので、一度主治医の先生に質問されるのがよいと思います。

(8)ki-67が高いとそれだけ再発の可能性が高くなると考えていいのでしょうか?
ki-67の再発リスクの因子の位置づけ(重要さ?)はどう考えればいいでしょうか。例えば、腋窩リンパの転移数、脈管浸潤の程度など他の再発リスク因子と比較してどのくらいki-67の比重は大きい再発因子なのでしょうか
→これはとてもとても深いご質問です。なかなか上手く答えるのが難しいのですが、まず、ki-67が高いと再発する可能性が高くなる、ことを示唆する研究結果があるのは事実です。ただ、先ほど申し上げたように、ki-67の測定方法自体が統一されていないこともあって、絶対的なものとしてはまだ捉えられていないのが現状だと思います。したがって、再発リスクへの相対的な寄与度も一定した見解はないと思います。これは余計に混乱させるかもしれませんが、ki-67が高いと化学療法(特にタキサン系薬剤)からの利益(つまり再発リスク軽減)を受け易い、ということを示唆する研究結果もあります。つまり、病気そのものの特徴(ki-67が高いと悪い)と、治療への反応性(ki-67が高いと効きやすい)の両方を反映するマーカーである可能性があって、一定の結論が出にくい一因になっています。

(9)友人BさんはLuminal-Bで手術時病理検査ki-67:55%でした。<腋窩リンパ転移なし、ホルモン感受性高(ER+80%・PgR+50%、Ⅱb(3cm×3cnの腫瘍)、悪性度2>、術前化学療法後TCを実施したので、術後はホルモン療法をおこなっておりましたが残念なことに3年後に遠隔転移が見つかったそうです。Bさんたっての希望で遠隔転移部分の細胞診をおこなったとき、ホルモン感受性はER+60%(術時より-20%)、PgR+20%(術時より-30%)、ki-67:35%(-20%)でした。初発と再発では、病理検査の結果が異なる(癌の性質が変わる)ことがあるとは聞いていますが、術時より転移時の時の方がki-67が低くなることもあるのですか? 低いといっても35%はいずれにせよ高い数値なので、数値の上下は関係なく、15%ぐらいを境界線にただ、ki-67の発現が高いか低いかだけを見ればいいのでしょうか。
→手術時の所見と、再発時の所見が変わることはおっしゃるようにあります。それは、それまでされたホルモン剤の影響を反映したものかもしれませんし、あるいはそもそもある特徴をもった細胞のみが転移を起こした、のかもしれません。再発時のki-67は治療選択に関して一つの参考にするかもしれませんが、あくまでも、ホルモン受容体の染色強度、転移部位、再発までの期間、などを含めた総合的判断の中の一つにすぎませんので、あまりその数字だけに頼りすぎるのはgood ideaではありません。

(10)これから先も長い期間、術後治療をおこなう身としては、治療によって、術時病理検査でのki-67:50%が下がってくれることを願っているのですが、再発しない限り検査の方法はありませんが、治療が効力をはっきすれば、ki-67の数値も下がると考えていいのでしょうか。
→ki-67に関しては、術前化学療法後の値が、術前化学療法前の値よりも、再発リスクを言い表すことを示唆した研究が発表されています。しかし、これもまだ完全に受け入れられた情報ではなく、今後の研究が進んでいく分野だと思います。将来的には、術前化学療法をした後のki-67が高い方には特別な治療をお勧めする、という時代がくるのかもしれませんが、現時点ではそれだけの根拠がありません。

今最善と思われる治療を主治医との相談の中で行われて、再発なく過ごされることをお祈りいます。
Re:乳癌のKi-67値
qpママ(兵庫県) 2021/11/08
こちらより、私も質問させて下さい。

今年の8月に浸潤性小葉癌と診断されました。
今術前化学療法中で、手術は来年の春頃の予定です。

検査の結果、

浸潤性小葉癌(T3N3CM0)ステージ3C
大きさ5cm以上
ER70%
PGR60%
HER2 3+
Ki67 90%
核グレード 2

腋窩リンパ節
鎖骨下リンパ節
鎖骨上リンパ節 多数転移

という結果となり、
現在EC療法の3クール目です。
4クールが終わったら、
ウィークリーパクリタキセルとハーセプチンの予定です。

私は現在36歳で子どもが3人おり、シングルマザーです。

癌と診断されてから、
自分なりに調べたくさん色々な記事を読んできましたが、
生存率や再発率、差がありすぎて今ひとつ分かりません。
そこでいくつか質問をさせて下さい。

①抗がん剤治療前の超音波検査でしこりの大きさが5cm以上と言われましたが、小葉癌の為、境界がハッキリせず、5cm以上としか言えないと言われました。現在ECでしこりに触れられないほど、小さくなっておりとても喜んでいるのですが、
術後の生存率や再発率というのは、発覚した当時の大きさで判断するのでしょうか?
それとも手術の時に摘出したサイズで判断するのでしょうか?
同じように、腋窩と鎖骨上下のリンパ節も発覚時は多数ありましたが、今はどこもしこりに触れられない状態です。
薬が良く効いておりとても嬉しいことなのですが、手術の際にハッキリとしたリンパ節への転移数が分からないのではないかと不安になります。
リンパ節転移の数も再発率が違っていたため、確認ですがらこちらも手術時の転移数で再発率を見る形となりますか?
PETCT検査での、多数転移とは10以上と思うべきでしょうか?

②サブタイプがルミナルB、HER2タイプになると思うのですが、調べた限りですと、予後良好タイプと思われます。ですが、ki67が90%と高値の為、不安が残ります。
Ki67の値はあまり気にしない方がいいですか?
ちなみに今年の1月にパチンコ玉サイズのしこりを見つけ、8月で5cm越えでした。
やはり増殖能は高いということですよね??

③色々な記事を読んできましたが、術前化学療法でしこりが消失していた方が術後の分子標的治療やホルモン治療中に数ヶ月〜数年で再発するのは何故でしょうか?

④治療前に主治医に全摘だと言われましたが、今しこりがかなり小さくなっている為、温存手術出来るようになっていると思われます。ですが、やはり全摘手術にした方が再発率は下がりますか?
今年の4月より専門学校に通っており、全摘手術だと休学しないといけないと思っていたのですが、
しこりが触れなくなったことで、このまま卒業まで通えたらなーという思いが出てきてしまいました。主治医にその旨伝えましたところ、リンパ節転移があったのだから、温存はダメ、全摘の方がいいと言われてしまいました。
放射線治療もあるため、なんとかなりそうだけどなーという素人の軽率な考えです。
やはり全摘した方がいいでしょうか?
ちなみに、おっぱいを取りたくないとかは一切ありません。

⑤EC療法の副作用に嘔吐、脱毛、卵巣機能不全があるかと思いますが、1クール目中が生理でして、2クール目の付近で生理予定でしたが来ず、
3クール目の数日後に生理が来ました。
治療前の説明で、年齢的にもこのまま生理がなくなる可能性が高いですと聞いていたのでビックリしています。現在生理10日目になりますが、まだ出血がダラダラと続いております。
元々月経過多なので、いつも10日前後ありますが、卵巣機能不全の副作用の事があるので、友人から別の出血じゃないか?と心配されております。
そんな生理以外の出血の可能性はあるのでしょうか?母方の家系が子宮筋腫の家系ですので、出血量と日数の長さは今まで気にした事はありません。
また、2クール目まであった気持ち悪いとか息切れ、脱毛の症状が3クール目はほぼありませんでした。こんな事ってありますか?
元々薬に耐性が付きやすいタイプなので、薬が効かなくなっていたらどうしようと少し心配です。

⑥お医者様の経験値から、
ステージ3cの再発率、
サブタイプ、上記の私の現在の検査結果を見ての
再発率はどの程度かお教えいただけますか?
1度だけどこかのページで、
ステージ3C乳がんの平均余命を書かれているページを見つけました。平均51ヶ月と書いてありました。
ステージ3でひとくくりにらされているものが多く、3Cだけで記載されているものを見つけても、48%~80%まであり今ひとつ分かりません。
自分では病気に負けるタイプではなく残る側の人間だと思っておりますが、子どもがおりますので、一応もしもの時の為に残せるものを残せるようにしたり、準備はしておくべきかなと思い質問させていただいております。

以上、たくさん質問してしまいましたが、
よろしくお願いいたしますm(_ _)m
Re:乳癌のKi-67値
J-TOP掲示板担当(岐阜県) 2021/11/18
qpママさま

JTOP掲示板担当です。
この度はご相談ありがとうございます。
いろいろご自分で調べていく中で、疑問が多く出てくるのは自然のことと思います。
いずれも、気になるのは当然なご質問だと思いますが、治療方針や今後の見通しなどは、特定の検査結果だけではなく、さまざまな要素を踏まえて総合的に判断します。
今後治療を進めていく上で、qpママさまに合った治療や生活を送るためには、ご自身の気がかりを一つ一つ主治医と確認し、ご自身の意向も伝えていくことがとても大切になります。
ですので、ぜひ、いただいた質問は(気になっているというお気持ちも含めて)担当医にもご相談ください。紙に書いて何回かに分けて聞く、看護師などに相談いただくのも、助けになると思います。
また、セカンドオピニオンという形で他の医師の見解を参考にすることもできます。
qpママさまが、納得して治療を受け生活していけることを願っております。
以下、ご質問についてコメントさせていただきます。今後担当医師とのやり取りのお役に立てれば幸いです。

1 術後の生存率や再発率は、発覚した時の大きさで判断するのか、化学療法の影響を受けた後である手術の時のサイズで判断するのか?
→発覚した時の大きさだけではなく、抗がん剤等の治療を行なった状況でも判定するための確立された方法があります。
2 PET-CTでの多数転移とは10以上のことなのか?
→正式な決まりはないと思いますので、気になるようでしたら主治医にご確認いただくのがよいと思います。
3 Ki67の値はあまり気にしないほうが良いのか?
→その値だけで判断することはなく、病気の状態の全体像の一部として捉えます。
4 1月から8月にかけてパチンコ玉サイズから5cm台になっているのは増殖能が高いということか?
→この情報だけで判断は難しいです。
5 術前化学療法でしこりが消失していたのに術後の治療中に再発するのはなぜか?
→がんは画像で映るもの以外に、数個の細胞で塊を作って体の中で血中などを流れていたり潜んでいたりします。全てを根絶して治癒を目指すのが集学的治療としての薬物療法の役割です。ところが、根絶できずに将来の再発につながることがあります。画像検査では消えたのに再発してしまうのはこのような背景があります。見えないがんの検出に向けた研究は精力的に行われていますが、現時点で実臨床では用いられません。
6 しこりが小さくなっているのに温存手術ではなく全摘なのか?
→がんの広がり具合などでの判断になると思います。
7 生理が2クール目の時はこなかったが3クール目できた。生理以外の出血の可能性はあるのか?
→おっしゃる通りでEC療法で卵巣機能不全になることはありますが、ぴたっと止まってそのままというわけではなく、経血量や周期が不規則になり、その後月経停止に至るというケースも多くみられます。ある程度の期間で出血が落ち着くようであれば様子を見ていただいてもよいかと思います。EC療法の影響で血小板減少などをきたしている場合は出血が止まりづらいこともあるかもしれません。しかし、なんとも判断は難しいところになりますので、担当医にご相談いただくとよいと思います。
8 2クール目までにあった気持ち悪い、息切れ、脱毛が3クール目ではなかったが、このようなことはあるのか?耐性がついて効果もなくなっているのではないか?
→治療の副作用の出かたが必ずしも効果を反映するわけではありませんし、コース数を重ねたからといって必ず軽くなる/辛くなるというものでもありません。あまり気にしなくてよいかと思います。
9 検査結果から、再発率はどの程度なのか?ステージ3Cの再発率は?
→こちらに対するお答えは、相談を超えた診療の範囲になってしまいますので、こちらで対応することができません。申し訳ございません。主治医やがん相談支援センターで聞いていただくとよいと思います。

最後に、子供さんがいらっしゃると伺いました。子供さんは、病気のことをご存じでしょうか? 以下のような活動もありますので、参考になれば幸いです。
https://hope-tree.jp/

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