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患者と医療者のコミュニケーション
再発ハイリスクな乳がんでしょうか
every(島根県) 2015/08/14
母が乳がんになり、温存手術を受けました。
タチの悪い癌だと言われ、この結果なら抗がん剤をやることを勧めますがどうしますかと聞かれ、半年の抗がん剤治療が決定しました。
説明のあった病理検査の結果は
しこり23ミリ、ホルモン陽性90%以上、グレード3、ki67 30%以上
リンパ節転移については術前CTで腫大を複数個確認、センチネルリンパ生検のちリンパ節郭清をレベル1~2までしました。
転移の数については分からず、最終的なステージはわかりません(術前は2Bと言われました。)
ハーセプチンについては何も説明がなかったためHER2は陰性だろうと。とにかくグレード3、ki67 30%以上が示すのはタチの悪い癌で、ホルモン療法も効くが抗がん剤で叩いておきたいとの説明でした。
乳がんの化学療法は一般的に3ヶ月だと思うのですが、半年も行うということは相当な再発ハイリスク群、予後不良なのでしょうか。
今後を考えると不安です。

   
Re:再発ハイリスクな乳がんでしょうか
YF(群馬県) 2015/08/17
everyさん、こんにちは。
お母様に病気が見つかり、手術が終わって、さらに抗がん薬治療と落ち着かない日々かとお察しします。
仲間と話し合った結果をもとに、返答させていただきます。

ホルモン陽性ということで、ホルモン治療が有効ですが、「リンパ節転移陽性、グレード3およびKi67
30%」という点から「ホルモン療法だけでなく、抗がん剤もやった方がよい」と判断されて、「たちの悪いがん」というように主治医の方が表現されたのでしょう。
手術後に行う、抗がん剤を用いた化学療法というと、確かにAC療法やTC療法と呼ばれる治療を3ヶ月、ということもあります。ただ、それよりもアントラサイクリン系抗がん薬(ドキソルビシン、エピルビシン)を含む治療と、タキサン系抗がん薬(パクリタキセル、ドセタキセル)を含む治療をそれぞれ3ヶ月、合計半年行う方が多いと思います。
ですので、半年、というのは決して特別にハイリスクあるいは予後不良、ということではありません。

なお、リンパ節転移の個数と、HER2が陰性か陽性については不明ということですが、今後の治療を決める上では大切な事なので確認されておいた方が良いと思います。その上で、再発を防ぐために提示された治療をしっかり行うことが重要と思います。
抗がん薬治療を開始するということで、副作用のことなど不安なことが多いと思いますが、気になることは主治医を始め、病院のスタッフの方々に確認して、少しでも安心して治療が継続できることを祈っております。
Re:再発ハイリスクな乳がんでしょうか
every(島根県) 2015/10/09
かなり時間が経ってしまいましたが、回答ありがとうございました。
病理結果を確認した所、リンパ節転移は2つ、HER2はマイナス、ステージ2bでした。
主治医はホルモン強陽性ならグレード1の大人しいものが多いが顔つきが悪く意外だったと。あまりない事なのでしょうか?
がんの組織型については説明ありませんでしたが、特殊型と言われるものでは?と少し不安です。
抗がん剤はEC療法→ドセタキセル 合計8クール に決まりました。
標準的な内容でしょうか。
よくFEC療法の方を見かけるのですが、この2つの治療成績にそれ程差はないのでしょうか。
Re:再発ハイリスクな乳がんでしょうか
向原徹(兵庫県) 2015/10/11
everyさま

腫瘍内科医をしているものです。

特殊な組織型かどうかは、いただいた情報からのみではわかりませんが、ホルモン強陽性ではグレード1が多い傾向にあるだけで、グレード2や3のことが極めて稀な訳ではありません。

治療に関して結論から申し上げると、受けられようとしているEC→docetaxelは標準的なものです。

EC療法にfluorouracilを加えたFEC療法とEC療法を直接比べられたことは少なく、決定的なことはいえませんが、最近報告された両者を比較する臨床試験では、差がなかった、と報告されているので、それほど気になされなくてよいと思います。

治療が上手く進むことを願いします。

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