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乳癌高用量化学療法ーM.D.アンダーソンニュース
nozomi(大阪府) 2008/01/08
いつもありがとうございます。
まもなく掲載の『高用量化学療法と幹細胞移植によるリンパ節転移陽性乳癌の術後補助療法は生存への利点はほとんどないか皆無である-15試験のレビュー』の研究には上野先生も関わられていたようで、コメントもされていますね。
乳癌の高用量化学療法の歴史的背景から書かれており、誤った治療がエビデンスとして広がってしまった悲しい過去を感じました。多くの患者さんがこの治療で辛い思いをされたのですね。目的とは逆の結果となったようですが、意義ある知見となって幸いなことです。
今はむしろ、低用量や、免疫療法(ワクチンなど)、細胞障害性でない患者に優しい治療が芽吹き始めていると思いますので期待を抱いています。
益々、有用な研究で患者に還元してください。

   
Re:乳癌高用量化学療法ーM.D.アンダーソンニュース
上野 直人(海外在住) 2008/01/08
そうです。この治療には悲しい過去があります。つまり、治療のエビデンスのないまま治療してしまった過去(患者も医療従事者もおどろされていた)、またエビデンスが明確になる前に(臨床試験に偏見を持ってしまったこと、無責任なデーターの解釈)。その意味ではmeta-analysisが必要だったのです。責任をもって最後まで解析する必要があります。また、今回の発表でみんなのfocusは生存に言っていますが、disease-free survivalとdose-intesificationのsurvivalの影響は統計的に有利に出ています。それだけに、これが、今後どのように転移性がんにおける治療効果があるかは更に吟味する必要があり、これで一概に研究がおわったとはアンダーソンのチームは考えています。是非、転移性乳癌のmeta-analysisをお待ちください。研究とはこういうものをいい、感情的にならないで、dataを一歩一歩解析することです。

Re:乳癌高用量化学療法ーM.D.アンダーソンニュース
nozomi(大阪府) 2008/01/10
本当におっしゃるとおりだと思います。感情的でも個人の手技でもなく、科学の目を持って治療を向上させてください。

この研究はこれから先がまだ続くとのことですので、分析を見守りながら結果を待ちたいと思います。研究に、啓蒙に大変だと思いますが、直接こうして教えていただけることは励みになります。ありがとうございました。
Re:乳癌高用量化学療法ーM.D.アンダーソンニュース
nozomi(大阪府) 2008/01/20
一応、この記事のリンクを張ります。

高用量化学療法/自家幹細胞移植によるリンパ節陽性乳癌の補助化学療法は生存への利点はほとんどないか皆無である
http://www.cancerit.jp/reference/diary.cgi?no=229

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