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治療とその選択
乳がん術後 放射線治療 線量 機器
Fuyuko(東京都) 2016/12/14
DCIS,断端陰性,MID1低値ですが,全摘でないため,放射線治療を標準どおり25回、50Gy行う予定です。
この線量というものは、ほぼみんな決まったように25回、50Gyのようですが、いろんな程度に応じて,加減することはできないものでしょうか?
例えば25Gy,13回などとした場合,効果は比例して半分になってしまいますか?半分どころか0,やらなかったのと同じことになったりしますか?
最低何Gy照射しないと全く無駄になるというような値はあるのでしょうか?また50Gyするにしても、25回ではなくて細かく分割したり,1回あたり多めに照射して少ない回数で行うとどうなりますか?
またリニアック式などの方式による効果の差はありますか?
どうかよろしくお願いします。

   
Re:乳がん術後 放射線治療 線量 機器
N(兵庫県) 2016/12/18
Fuyukoさま、兵庫県で放射線腫瘍医をしているNと申します。

乳房温存術後の放射線治療ですが、近年では一回線量を多めにした短期間照射として42.5Gyを16回でまたは40Gyを15回での照射が行われています。

海外で行われた臨床試験の結果ではこれらの照射線量と回数でも、従来行われてきた50Gyを25回と同等な有効性と安全性が得られています。

放射線治療はそれぞれのがんの種類を治療するのに必要な線量と期間が決まっており、乳がんの場合は上記より低い線量であれば、十分な治療効果が得られず、再発する可能性が高くなります。
また、上記と同じ理由で、決まった期間より短くしたり、途中で休むことで治療期間が延びるのもできるかぎり避けた方が望ましいです。

全照射回数を受けることで、エビデンスとして検証されている効果が得られるので、放射線腫瘍医は照射治療の完遂を重視しています。

日本では、乳がんに対する短期間照射は浅い歴史しかありません。全施設で行われているとは限りませんが、一度主治医の先生に短期間照射の適応について尋ねてみてはいかがでしょうか。

チームオンコロジーメンバー一同、Fuyukoさまの疑問が解決し、十分納得したうえで今後の治療が進みますことをお祈りしています。
Re:乳がん術後 放射線治療 線量 機器
Fuyuko(東京都) 2016/12/18
N先生,迅速でご丁寧な回答を下さりありがとうございます。
患者向けの乳がんの本など見ましたが,放射線治療の情報がほとんど得られませんでしたので,すごくありがたく思います。50Gy,25回と決まっているような印象をうけ、再発予防でやるべきと思っていても,何か怖いのも本当のところです。
もう一つ,お考えを伺いたいのですが,リニアック,IMRT,トモセラピーなど,照射方式の異なる装置があるそうですが、初期乳がんで,断端陰性,リンパ浸潤なし,だけれども,画像には映らないがんの種をつぶしておくには、どのタイプの方式が理想なのでしょうか.

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