掲示板「チームオンコロジー」

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治療とその選択
:針生検での病理と術後の病理に違いがある
宮城 律子(千葉県) 2018/03/07

ステージ1の乳ガンにて、温存手術をしました。

手術前では、ホルモン低値ではあります
が、ルミナールと言われてました。
(ki高よりルミBと思ってました)
しかし、術後の病理結果にて、トリプルネガディブと言われております。

「針生検の結果」
ER PS3 IS2
PgR PS0 IS0

「術後病理結果」
ER マイナス
PgR マイナス

担当医からは、
「癌は、色々組織からなっており、トリプルネガディブベースであるところに、
ホルモン受体の部分が微量混在している。1センチの大きさでも、このような事は
時折有ることです」
と説明を受けています。こんなことはあるのでしょいか?

私はいろいろな所見をみても、標本時に何らかの理由で(固定に時間がかかったなど)
染色性が低下したのではとみるのですが、いかがでしょうか?

ちなみにオンコタイプも出しましたが、ホルモンマイナスでした。

どう思われますでしょうか?是非、ご意見をお聞かせ下さい。

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Re::針生検での病理と術後の病理に違いがある
S(神奈川県) 2018/03/09
M様はじめまして (イニシャルでお呼びする非礼をお許しください) 。医師の S と申します。生検標本と手術切除標本でホルモン受容体 (ER, PgR) の結果が異なったということですね。「意見を」ということでございましたが、この掲示板は「意見=オピニオン」をお伝えできない取り決めになっておりますので、一般的な内容の回答となりますことをあらかじめご了承くださいませ。

主治医の先生のご説明の通り、術前のホルモン受容体の発現結果と手術で切除したホルモン受容体の発現結果が異なることがあります。異なる可能性があるために同じ評価 (ER, PgR の発現など) を術前、術後の2度に渡って行うという言い方もできるかもしれません。生検標本、手術標本の結果が異なることもありますが、その場合は手術標本の病理結果が優先されます。なお、ER, PgR, HER2, Ki67 は免疫組織化学染色という手法で評価されることを追記いたします (HER2 は一部例外があります)。免疫組織化学染色は採取された標本内に存在するタンパク質を検出する手法です。言い方を変えれば、生検標本でも、手術標本でも ERタンパク質、PgRタンパク質、HER2タンパク質、Ki67タンパク質を評価しているということになります。

さて、ご質問の「ホルマリン固定時間の影響で結果が変わったのではないか」という点です。固定不良や過固定が免疫組織化学染色の結果に影響することについては、あり得なくはないものです。免疫組織化学染色のターゲットになる ERなどのタンパク質の形がホルマリンの影響で変わるために固定の仕方このような差が出ることがまれにあります。

M様はオンコタイプDXを利用されておられますね。オンコタイプDX は手術標本を対象に行われることのある検査で、RNA と呼ばれるタンパク質とは別の物質を対象に行われる検査です。ご投稿を拝見させていただきますと、手術標本において、オンコタイプDX と免疫組織化学染色の結果が一致しているようです。2つの検査で一致していますので手術標本についての解釈は主治医の先生のご説明の通り (ER陰性、PgR陰性) となるのではないかと思われますが、再度、この点において主治医にご相談されるのがよいかもしれません。M様がお気になされている染色性の低下についても、病理の立場から再確認してもらえることもあるかもしれません。その旨、主治医に具体的にご相談してみてはいかがでしょうか。

また、主治医以外の意見をお知りになりたい場合はセカンドオピニオンの利用が有効です。セカンドオピニオンには乳腺医師の意見のみならず、病理の意見も合わせて尋ねられる様式のものもあります (セカンドオピニオン先の病理医の意見はセカンドオピニオン先の乳腺医師が代わって説明することが多いです)。病理のセカンドオピニオンを利用なされた場合も、ホルマリン固定の部分からやり直すということはできませんが、別の施設からの意見を聞くことでよりご理解が深まるかもしれません。

ご納得の上、治療に臨んでいかれますよう陰ながら M様を応援しております。

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