掲示板「チームオンコロジー」

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エッセイを読んで
腎臓癌診断について
レベッカ(神奈川県) 2024/01/12
お世話になります。
夫62歳が、昨年人間ドック腹部超音波検査で、腎臓部に腫瘍の疑いがあるとの事で12月に泌尿器科にてCT検査後
腎部分切除手術(腹腔鏡 ダビンチロボット支援手術)を2月に施術することになりました。
画像検査では良性か悪性腫瘍が判明できず、手術後に生検しないと判らないと
言われたそうですが、CT検査だけで
癌と断定できない状況で、腎臓部分切除手術して大丈夫なのでしょうか?
腫瘍は約4cmだそうです。
解り易いご説明頂けたら、有難いです。
よろしくお願い致します。

   
Re:腎臓癌診断について
三浦 裕司 (東京都) 2024/01/12
レベッカ様

掲示板へのご投稿ありがとうございます。
虎の門病院で腫瘍内科をしております三浦と申します。

旦那様のことでご心配のことと拝察致します。
さて、腎腫瘍にはお調べになられているように良性のものから悪性のものまで様々あります。その診断には、詳細かつ専門的な画像所見やその他の検査所見などを要しますため、本掲示板では具体的なアドバイスは難しいのが現状です。そのため、一般的な考え方について解説しますので、ご参考いただき主治医の先生にお聞きになると良いと思います。

まず、主治医の先生にお聞きになる際に知っておくべき背景知識としては下記のものがあります。
1. 腎腫瘍の場合、画像診断だけで診断のあたりを付ける(専門用語では、鑑別診断をつけると言います)事はできますが、はっきりとした診断をつける事はできません。
2. それであっても、悪性と良性の区別がつきやすいような画像所見のものもあれば、専門家同士が話し合っても、これは組織を採取してきて顕微鏡で見ないと(専門用語では病理検査と言います)分からないね、となるものまで様々です。今回は後者だったのかな、と拝察します。
3. 組織をとってくる方法として、針で刺して一部分を取ってくる「生検」と呼ばれる方法と、手術で取ってくる方法、その中でも「腎部分切除」という方法、「腎全摘除術」と呼ばれる方法の3つが主に存在します。
4. それぞれの方法に長所と短所があります→詳細は、主治医の先生にお聞きになるのが良いと思います。

今回、ご心配されているのは、下記のことではないかと拝察します(違ってたらすみません)
① もし良性だった場合、切除する必要がないのではないか?という心配
② もし悪性だった場合、部分切除で取りきれるのか?という心配

これについては、主治医の先生に下記のポイントを押さえてお聞きすれば良いかと思います。
①の場合、予想されるデメリットは何か?例えば手術の危険性や腎機能が低下する可能性はどの程度か?など
②の場合、部分切除を行った時の治療のメリットがどの程度を見込めるのか?

以上、少し難しくなったかもしれませんが、治療方針をお決めになる際に、メリットとデメリットのバランスをご納得いただくための、ご参考になりましたら幸いです。
Re:腎臓癌診断について
レベッカ(神奈川県) 2024/01/14
三浦先生
早速のご回答、丁寧なご説明有難うございました。
実は本日、2月1日の手術前検査と主治医との面談に行ってきました。
CT画像では腹膜を隔てて肝臓に隣接する右腎臓腫瘍が2.8cmでした。
驚いた事は、夫はロボット支援腹腔鏡下腎部分切除手術を受けるつもりでしたが、主治医からダヴィンチロボット支援腹腔鏡手術は今のところ、前立腺癌のみで、腎臓についてはA病院では認可されていないとの話でした。
もしロボット支援手術を希望なら紹介状を書きますとの事でしたが夫は手術が延期されるのが嫌なのか、腹腔鏡手術で良いという事になりました。
手術時間や操作難易度を比較すると、ダヴィンチ手術の方が断然良いと思うのですが。
(虎ノ門病院や慶応病院にはロボット支援手術センターがありますね)
いずれにせよ、手術後2.3週間で病理検査の結果が出るそうです。
腎臓癌だとすれば、肺癌や乳癌と違って、抗がん剤や放射線治療は、有効でないことから、定期的なチェックアップで転移や最初を観察していくようなので心配は尽きません。
まずは手術の成功と体力の早い回復を祈るばかりです。

PS:12年前に肺癌患者だった父親の主に終末期の緩和や先進医療の相談でお世話になりました。
津川先生、向原先生、近藤先生...懐かしい先生方が今でも、患者さんやご家族を温かく励ましていらっしゃる、感慨深いです!

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