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がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
chick(東京都) 2008/11/20
がんの専門病院で、乳がんの診療にあたっている医師です。
患者さんの専門病院志向もあるのだと思いますが、がん専門病院の乳腺外来は患者さんで大変混雑しており、限られた時間のなかで患者さんおひとりにお話できる時間が短く、検査や手術の待ち時間も伸びています。いっぽうで治療はどんどん複雑になってきていますので、治療の必要な患者さんにお話ししなくてはならない内容が増えています。当然、待ち時間が長くなりますし、胸が痛むところですが、心配・不安はかかえておられるけれども医学的には大丈夫という患者さんのお話をじっくりうかがえないでいます。米国にいるような専門的な知識をんもって支えてくれるコメディカルもまだ十分でありません。

こうした中で、専門病院の医師と地域の病院やクリニックとでネットワークを築いて、患者さんとって便利で安心できる「地域連携プログラム」を構築しようという動きがでてきています。がん対策基本計画の中で求められている「地域連携パス」という仕組みが土台になっています。専門性の高い治療(手術や化学療法)が必要でなくなった患者さんは、地域の医療機関の医師がフォローし、必要が生じたらまた専門病院にかかることができるシステムです。つまり患者さんの状態にあわせて役割分担していこう、ということです。

といっても、がんの術後のフォローについては、ある程度の知識や経験が求められますので、現在の日本の状況では地域の医師なら誰でもよいわけではないと思います。私の専門としている乳がんの領域では、数年前から乳腺を専門として開業される医師が増えてきました。今、医療者の間ではこのような専門性のあるクリニックの先生とのネットワークを広げて、患者さんに安心感のあるフォローアップ体制を作りたいという動きがでているのですが、こうした考え自体、患者さんに支持されるものかどうか、医療者だけの議論では不安です。

長文でうまく意味が伝わっていないかもしれないのですが、「地域連携プログラム」の必要性やあり方について、患者さんからのご意見、いただけないでしょうか?

Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
上野 直人(海外在住) 2008/11/20
理解できます。重要な問題です。専門病院志向を変えないとだめですね。
真の専門病院は最高の医療の提供とエビデンスの創出が必要です。単なるセカンドオピニオン病院ではだめです。
また、専門病院でなくても、質の高いガン医療をどこの病院でも提供する必要があります。それには、標準療法の確立とすべての医療従事者がエビデンスを吟味できる力をもつ必要があるのではないでしょうか。
Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
hirorin(東京都) 2008/11/23
術後4年。ホルモン療法中です。
私の実家の地元では、長年県立病院で乳がんの手術を担当された先生が、定年後地元で開業され、県立病院で手術を受けた人たちのホルモン治療を担当されています。何かあればすぐに県立病院に連絡いただけます。
待ち時間も少なく、ゆっくり先生とお話ができるようで、うらやましく思っていました。
医者なら誰でもいい訳ではあしませんが、かつて専門だった先生なら信頼もおけるし、いいと思います。
このようなクリニックが増えることを希望します。
Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
ミニー(埼玉県) 2008/11/24
初期治療が終わったばかりの乳癌患者です。
今までは点滴のため毎週通院でしたが、これから3ヶ月毎の検診となり淋しいような不安なような・・・
今の時点で地元の病院やクリニックを紹介されても、不安の方が勝ってしまうかな~と思います。
どんなに待ったとしても、やはり手術をしてもらった主治医に診てもらいたいと思うのは私だけでしょうか?
お忙しいのは重々承知ですが、安心感は全然違います!

イメージですが毎日現役乳癌患者を診ている先生は、ちょっとした変化にも気付いてくれそうな気がします。
再発や転移は早く見つけても後で見つけても予後は同じと言われますが、早めに気付いて出来る事はしたいと思うのが患者心理なのかなと思ったり。
専門家なら誰が診ても同じとなると、検診自体重要なのかよく分かりません・・・

病院や主治医を変えるより、認定看護師さんやカウンセラーさんなど別に相談できる窓口をつくっていただけたら有り難いと思います。
術後5年以降の検診などであれば、気持ちにも変化があり転医も考えられるかもしれませんが~
ご参考になれば・・・
Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
KEN(愛媛県) 2008/11/24
乳癌専門医です。現在厚生労働省主導で、地域連携を積極的にすすめるということになっており、今後ミニーさんのような不安と戦いながら、地域の病院や、診療所に定期健診に行かれることになる患者さんも増えてくると思います。がん診療の均てん化をめざすとか、診療がパンクしつつある拠点病院がうまく機能するためにとかいう名目がつけられています。お役人の考えと我々実地医療に関わるスタッフとの微妙な意識のずれにいつも落胆しながら、現在当院でも地域連携に取り組んでいます。地域連携は以前からあった考えであり、最近はお役人のお墨付きがあるわけで、先週末大宮でありましたクリニカルパス学会でも、近年の地域連携パスへの取り組みは爆発的なものがあります。それらを聞きながら思ったのは、やはり、いくらパスで連携と言ってもやはり患者さんには、こういう取り組みでこういういい結果が出ましたという、利点の実証がないとこの取り組みは広がらなくなる可能性があること、クオリティの低いものを提示すればますます運動の足を引っ張る可能性があると言うことでした。連携に関わる患者さんと医師以外に、医師会、事務職、行政さまざまにより有機的に関わる必要があります。また地方での特殊な事情もあるでしょう。お役人の紙の上での仕事に啓発されてというより、患者さんが安心してそれぞれの病院を回れるように、きちっとしたオピニオンリーダーのもとにシステム構築する必要があると感じました。またミニーさんの言われるように、認定看護師、カウンセラーの関わりも重要ですよね。当院では連携のコーディネーターを作っていますが、こういうメンバーが患者さんの安心を保障するようなシステム作りをしていきたいと考えています。
Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
ロータス(東京都) 2008/11/25
がん患者として思うこと
まず告知自体が 病気の重さにかかわらず 大変ショックな出来事でした。
その時点では、病気の知識も医療関係の事柄、例えば セカドオピニオンとか 医療連携とか がん専門病院の役割とかいうこともわかりません。
そういう患者初心者にとって、お医者さんは唯一の命綱です。
また、がんになったら「がん専門病院へ行けば安心」というのも、無知な患者の浅はかな考えと言われればしかたありません。
それが、ある時 急に「別のクリニックに行ってください」と言われたら、最初の先生にずーっと診ていただきたいと思っていた患者にとっては セカンド大ショックでパニック状態になると思います。
ですから、そうなる前に 最初の手術入院の時にでも 現在の専門病院では対応しきれない 患者過剰の状態とか、連携医療機関での治療とか 啓蒙していってくだされば、お医者さん依存症の患者にも少しは、理解と心の準備が出来ると思います。
でも、患者にとってはやはり心細いので「何かあったらいつでも連絡下さい」のような一言があったら 更に安心して 他の病院に行ってもいいかな と思えるかもしれません。
基本的には医療連携は支持しませんが、病院の現状をしれば、患者にとっての環境がよくなるのであればありがたいことです。
Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
chick(東京都) 2008/11/25
hirorinさん、ミニーさん、ロータスさん、KEN先生、コメントありがとうございます。いただいたご意見の中から、工夫をしていかなくてはならないことのポイントが見えてきたような気がします。
実はこのテーマをこの掲示板に出すのには、かなり勇気が必要でした。だから最初の数日、患者さんからの反応がなくて、患者さんには絶対的に受け容れられないものなのかなぁ、言葉が悪かったのかなぁ、と実はがっくり落ち込んでおりました。
「地域連携」は完成したシステムではなくて、これから皆で育てていくものです。患者さんにも議論に参加していただいてこそよいものにしていけると信じています。お互い顔がみえないネット上の会話だと十分なコミュニケーションができないので(言葉以外のコミュニケーションって大事ですよね)、今後このテーマで皆さんと直接お話できるようなチャンスを作っていきたいと思います。そのときにはよろしくお願いしますね!
そしてまたのコメント、よろしくお願いします。
Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
上野 直人(海外在住) 2008/11/25
寄稿していた頂き感謝しています。勇気がいるのも理解できます。この掲示板をみると患者と医療従事者が地域連携に関しての将来のビジョンを明確にし共有する必要がありますね。

日本は専門医の種類が多すぎます、患者に理解のできない様々な認定制度が逆にシステムを構築するのを難しくさせているのではないのではないでしょうか。今後、患者が理解しやすいしかも高品質の医療の提供する専門医あるいは認定制度を作る必要がありますね。(^^)
Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
ひかり (北海道) 2008/11/28
一段落した感のある今投稿というのも、ちょっと間抜けですがお話させて下さい。

私は異時性両側乳がんで、人工乳房で再建しています。
ここでの書込みでは病院で手術している方が殆どのようですが、私は乳腺専門クリニックで手術しています。
婦人科、形成外科、循環器内科は別のクリニックや病院に通っていますが、主治医同士お手紙や電話でやり取りしてくれるので、総合病院ではないけれど安心してクリニックで治療を受けています。

放射線治療や骨シンチ検査等は、大学病院や総合病院と提携しています。
クリニック→総合病院 逆パターンですね。
私の住んでいる所では、どこのクリニックも評判が良くて医師も3~4人体制で診ています。
癌専門病院は手術件数は多いでしょうが、大学病院や総合病院では乳腺専門クリニックよりずっと少ないし、医師の異動で主治医が変わる事を考えると、クリニックで良かったと思います。

最近の患者さんは口コミで医療機関、医師を選んでいます。
病院の規模で選ぶ患者さんは減ってくると思います。
ウチのクリニックは地方から来る患者さんがとっても多いのですが、皆さん術後の経過観察もわざわざ出向いて来ます。

専門病院だからそこでずっと診て欲しいのではないのです。
主治医が変更になるのが不安だからです。
医師にとっては大勢の患者の中の一人でしょうが、患者にとってはたった一人の主治医なのです。
ガン告知をした医師なのです。手術をした医師なのです。
ある意味、家族より心情を吐露しているし、医師が思う以上に深い関係になっているのです。

せっかく築いた信頼関係を、一から作るのはお互いに大変です。
なので何年経っても同じ医師に診て欲しいのが本心です。
ならば初診時から信頼のおける乳腺専門クリニックで受診する事が、ベターではないかと思います。
患者自身が、癌は専門病院という神話を覆す事、考えを改める事がより近道のような気がします。

私は、主治医が私より早く逝く事がないように願っています。(笑)
冗談のようですが、患者さんでそう思っている方多いんですよ。
この事が、主治医と患者の関係を如実に表していると思います。
Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
ロータス(東京都) 2008/11/30
数か月前にインターネットをはじめ、このサイトを知り初めての投稿でした。 年配なので、文字を読むのもやっとの大きさで、スラスラと理解できてないかもしれませんが、私としては 自分の気持ちに近い方や、又 別の新しい考えを持った患者さんを知ることが出来て良かったです。今後、直面するであろう事に関しての参考になると思いました。
 何よりお医者さんの お気持ちが感じられて嬉しいですね。
 
Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
上野 直人(海外在住) 2008/12/01
暖かいお言葉を頂きありがとうございます。40人以上のコメンテーターが信念を持って答える努力をしています。サイトは一般と医療従事者に分けていますが、どちらを読んでいただいても、少しは参考になる内容だと信じています。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
mai(東京都) 2009/04/30
多忙を極める医療者の方のサイドからこうしたご提言がいただけたこと、一患者として大変嬉しく拝読しました。

私はがん専門病院で治療を受けている乳がん転移患者です。

最近は検査の予約も3ヶ月先でないととれないなど、専門病院の負荷の高さを目の当たりにしています。また、通院での抗がん剤・放射線治療など、患者にとって遠方の専門病院に通い続けることの負担は体力的・経済的にも大きいもので、ネットワーク化は大いに歓迎されると思います。私自身、可能であればホルモン療法、今後必要であれば放射線治療や緩和医療などは地元で受け、術後定期検診や再発の疑いがある場合の精密検査については手術を行った専門病院で受けられたら、としばしば感じていました。
また、治療から、または病気に体する不安からうつを併発しやすいがん患者の精神的サポートや診察も、ネットワークの下、地元の機関で提供されるようになれば素晴らしいと思います。

ネットワーク化にあたっては、情報・治療方針の共有が重要になります。この点については、医療者の皆様に置かれましては、電子カルテの共有だけでなく、関係者の間で定期的なミーティングなどで擦り合わせを行っていただくことがキーになるかと思います。
また、患者自身が自分の治療状況を明確に理解しておくことも重要です。

私自身の体験をシェアさせていただきます:
私の通う専門病院では、外科担当医/化学療法担当医/整形外科の担当医/検査を担当した放射線科担当医が医療チームにを形成して、電子カルテを経由して情報を共有し、治療にあたってくださっています。
どの先生も考えられないような患者数を抱える中、常にベストを尽くしてくださっていて、非常に信頼し、感謝しております。
が、それだけ恵まれた環境の中でも、関係者間での連携の難しさ、患者に求められる治療に体する理解力とコミュニケーション能力の高さというハードルを実感することがあります。

最初の確定診断から術前化学療法、手術までは、おそらく治療方針を確定する会議などで情報が共有され、また、診断で得られた情報や治療方針が明確だったのでしょうか、非常にスムースに進みました。

が、今回の転移に関しては、検査結果の確認が漏れてあやうく見落とすところであったり、骨転移ということで診断に携わる専門医が複数にまたがり、それぞれの担当医がオーダーした検査の目的うまく伝わらず、再撮影が必要になるなどの問題が複数生じました。さらに、今回転移が怪しまれて緊急に受けることになった検査は院内で受けられなかったためすべて外部の医療機関で行いましたが、外部の医療機関からのデータの送付が忘れられたりという問題も経験しました。
私の場合、さらに婦人科系の問題も重なっており、乳がんの根治療法とこの婦人科系の問題の治療とが重なることから、異なる科の医師の間で自分自身が説明をする必要がありました。
医療機関の負荷の高さ、医師の多忙、電子カルテだけに基づく状況の正確な理解の難しさがこうした問題を引き起こしていると理解しています。

患者も努力が必要なことはもちろんです。が、体調不良の中、治療に立ち向かうだけで消耗の激しい患者にとって、自分が専門家の間に立って状況をまとめていくというのはなかなか難しいのも事実です。
ですので、複数の機関が関わることが前提となるネットワーク医療では、電子カルテによる治療状況の共有に加え、プロジェクトマネージャのような方が一人立って(できれば地元のかかりつけ医で、日頃から患者の異変に気づく機会のある方であれば最高です)、患者とのコミュニケーションの窓口となり、患者と共に治療状況を把握して、各医療機関・医師との情報確認に力添えいただけると助かります。

実現に向けては多くのハードルがあると存じておりますが、患者としてもぜひ実現に向けてできる限りの努力をしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
そして何よりも、先生方ご自身が病気にかかりませんよう、お体に気をつけてください。

# なお、当初異変に気づいた段階では、胸の異常をどの医療機関で見てもらえるのかがわからず、半年も病院をうろうろとしてしまいました(無知から婦人科に行って、「うちでは見ません」とだけいわれて帰ったこともありました。)
職場の近くにある病院(「地元のかかりつけ医」を目指されているそうです)の院長先生が乳腺の専門医であることがわかり、駆け込んだところ病気が判明。私の年齢と病気のステージを考えた先生のご判断で専門病院に紹介していただき、現在の医療機関にたどり着きました。年配の方、初期のステージの方であれば、先生ご自身が手術・術後医療を行われるそうです。
この連携には、非常に救われました。

Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
たかぎまりこ(海外在住) 2009/04/30
maiさん、ご意見と今までの経緯を書き込んでくださりありがとうございます。

>患者も努力が必要なことはもちろんです。が、体調不良の中、治療に立ち向かうだけで消耗の激しい患者にとって、自分が専門家の間に立って状況をまとめていくというのはなかなか難しいのも事実です。

この点をあらためて考えるべきだと私も思います。

今アメリカで生活していて、病気は自分のもの、いかに自分で説明できないと困るかを体感しています。

ですが、自分の病気をよく理解していて相手に伝わるように説明しなければいけないということと、同じ病院内で何度も同じ説明をしなくてはならないのとは、意味が違うと思います。

>プロジェクトマネージャのような方が一人立って・・・

とても良い意見だと思いました。

私はネットワークづくりのお仕事には関わっていませんが、患者皆様のご意見やこれまでのご経験が今後の医療に反映されることを一医療者として願っています。病んでいる患者さんのためのネットワーク、チーム医療であるべきです。


Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
Shigeru(広島県) 2009/04/30
広島のがん診療拠点病院の医師です。ネットワークの問題は私たちも直面している問題です。最近は早期の乳癌の診断が難しくなり,かなりの専門性が要求されるようになりました。最初の病院ではよく分からなかったが,専門病院を受診したらすく診断がついた,などという話は良く耳にします。そのため乳癌は専門病院で診てもらわなければならないと,ご本人ご家族が思いこんでいる場合が少なくありません。
chickさんが書いておられるように,まずは乳腺専門クリニック,もしくは一般病院におられる乳腺専門医の先生と,ネットワークを作っていこうかと私たちも取り組んでいます。
患者さんの情報をどのように共有するかは重要な問題ですが,ある程度システム作りがまとまれば,進めていこうかと思っています。最初から完璧なものはつくれませんから。
患者さんにとっていろいろな選択肢があることは大切だと思います。
Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
上野 直人(海外在住) 2009/05/01
難しい問題です。

つまり、がん医療の問題だけでなく、専門家から医療の入り口を導入する医療を構築すると患者が専門家にあつまりやすくなり、疲弊する現象です。

つまり、がんという問題をあげると、
1.がんのスクリーニングは誰がするべきか?専門家あるいは専門家でなく、generalist?
2. 厳しく言うと乳腺の専門家が必要なのか、あるいは腫瘍内科医あるいは腫瘍外科医が前線にたって、乳腺専門家はもっと治療の研究に専念するべきなのか?

患者が専門家を見つけなくても自然に専門家に必要ならば流れる医療を考えても良いのではないでしょうか?

Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
ふじくろ (神奈川県) 2009/05/14
術後4週間の乳がん患者です。
日本で有数の乳がん手術件数の多い病院で手術しましたが、外来は大変混雑しています。
「地域との連携」なのでしょうか(?)、より自宅に近いクリニックを紹介され、今後のホルモン療法はそちらのクリニックですることになりました。

セカンドオピニオンのときからクリニックのことは伺ってましたので、何の違和感もありません。
むしろ手術した病院より通院時間も外来待ち時間も(たぶん)短縮され、自分にとっての利益は大きいと感じます。
Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
chick(東京都) 2009/05/15
各地域で少しずつ実際の連携が始まっているようですね。
maiさん(病院では紆余曲折があったようですが)、ふじくろさんが地域に信頼できる先生方をみつけられたのは非常によかったと思います。また連携を前向きにとらえて下さる患者さんもいる、ということで勇気が出てきました。
さて、その後の「地域連携プログラム」の動きについてお話ししますね。昨年10月、今年2月と、東京では東京近郊の乳癌治療の拠点となっているような病院と、最近増えてきている乳癌を専門として地域で開業されているクリニックの、医師・看護師やソーシャルワーカー等が一堂に会して、より良い地域連携を考える研究会を催しました。医療連携をテーマにして、その当事者が実際に顔を合わせて意見を戦わせることなど今までなかったのですが、この会を通して面と向かって話す、というコミュニケーションの原点に返り、病院とクリニックそれぞれの立場、各医療機関の特徴や医師の考え方・個性などを知ることができて非常に有意義でした。
この研究会は、「患者さんの安心」「顔の見える連携」「エビデンスの尊重」をキーワードに、より良い連携を共通の目標に、乳癌診療に関する最新情報についての意見交換とコミュニケーションの場として、今後も発展・継続させていきたいと思っていますが、よりよいシステムを作っていくためには、maiさんやふじくろさんなど、患者さんの実際のご経験から出たアドバイスが不可欠です。今後ともいろいろなご意見を頂戴できればと思います。よろしくお願いいたします!
Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
上野 直人(海外在住) 2009/05/17
頑張ってください。仲間を大切に。MissionとVisionをもって!
応援しています。
Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
ひかり (北海道) 2009/05/18
以前1度このテーマで投稿しているのですが、その時は自分の体験でお話させていただきました。今回テーマに動きがあった事で、以前私自身がブログにUPした記事を思い出しました。

がん医療を問う-患者の“安心”を支えるために-
教育テレビ 2月28日(土)午後8時~10時 

ご覧になった方も多いかと思いますが、この番組の中で紹介されていた取組みの1つを、こちらで紹介させていただきたいと思います。
chick 先生が話されていた
<患者さんの実際のご経験から出たアドバイスが不可欠です。今後ともいろいろなご意見を頂戴できればと思います。よろしくお願いいたします!

この言葉に勇気を貰い、2度目の投稿させていただきます。


【私のブログより抜粋しました】

がん対策基本法に基づき『がん診療連携拠点病院』を柱に、一般病院、在宅療養支援診療所、診療所等で連携して1人の患者の治療、ケアを行うという制度についての現状と、ある地方都市、医療機関の取組みについての番組でした。

番組でお話しされていた患者さんの場合・・・・・がん診療連携拠点病院で手術をしました。
ある日、主治医より「これ以上使える抗がん剤はないので、転院して欲しい」と言われ途方に暮れ、自力で探します。
患者さんは体力も、気力もあります。
痛みで苦しんでいる訳でもなく、まだまだ治療したい意欲に満ちている時に前の主治医に「転院」を言い渡されたのです。
しかし運良く、引き受けてくれる医師に出会う事ができたのです。
それがですね、同じ病院の他科の医師が受け入れてくれたのです。(この先生は抗がん剤に詳しいと評判の先生との事)
・・・・・・
そんな訳で患者さんは、通院せざるを得ない状態なのです。
その上、点滴の針を抜くのはまた違う病院なんですよ。
車で1時間以上運転して、抗がん剤の注射針を抜きに2日後に向かいます。
もっと近くにも病院がありますが断られてしまい、ここでも自力でまた探しました。
なぜ断られたかと言うと、抗がん剤を取り扱った事がない医師には、危険が伴う処置となってしまう訳でリスクが大きいのです。
たまたま今回見つけた病院の医師は、大学病院で抗がん剤を扱っていたので、受け入れてくれたのでした。
こうして連携と言いながら、ちっとも医療機関、医師のネットワークは繋がっていないのだという事を知りました。

どの医療現場でもマンパワーが不足しています。
在宅療養支援診療所は24時間往診に対応できなければいけません。
診療保険点数は高くなりますが、いずれ医師の身体がパンクするだろうと・・・。

そんな中でも、ある地方都市での取組みに希望もあります。
長崎では、開業医が集まりネットワークを作り、がん拠点病院からの患者を引き受けるというシステムを作りました。
この時、主治医、副主治医の2名決める事で、学会や旅行で患者を診れない時に代わって診てもらう事ができるので、精神面でも楽になったそうです。
また患者の引継ぎには、事前に病院側と開業医の間でカンファレンスが行われます。
そのメンバーには患者家族、ケアマネ、看護師等も加わります。
自宅に戻る患者を迎える体制を整える為の意見交換をしていました。
患者さんは、今までの病院の主治医と、これからの主治医、副主治医となる開業医の両者が揃っている場に最後に加わり、紹介、説明を受けるのです。
患者にとっては、両者が揃っている事で病院側と開業医側とで話し合いが出来ているという事、自分は追い出されたんじゃないという安心感を得る事ができるのです。

以上、ブログ記事からの抜粋です。
この様な取組みは開業医の意欲がなくては難しいかも知れませんが、患者側からすると素晴らしい希望のある取組みだと感じました。
Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
上野 直人(海外在住) 2009/05/19
患者が具体的に診療システムをどう構築するかに参加すかかはとても重要だと思います。参加するにはもちろん,患者がどう普段の診療を受け取っているかだけでなく,医療従者がどのように解釈しているかを知る必要することが大切です。知ることが大切です,必ずしも賛成する必要はありません。つまり,きめ細やかなコミュニケーションがとても大切です。

タウンホールミーティング,シンポジウム/患者会だけでなく,自主的に病院のボランティアなどにかかわらないと医療は簡単にかわらないのが米国での現状です。みなさん積極的に病院でボランティアをしてみて病院を知りませんか?ボランティアの活動をどこまで広げるかも結構参加者次第だと思いますよ。
Re:がん患者さんをサポートする病院とクリニックのネットワークについて
KEN(愛媛県) 2009/05/19
「地域連携プログラム」を、現在四国の田舎で展開しようとしているものです。現在システム構築中であり、まだ紆余曲折はありそうですが、その過程において、患者さん会と関わりを持つ機会があり、この現在進行中の地域連携プログラムに対する意見を伺う事ができました。その中でコミュニケーションをとって、患者さんを中心に地域で診させていただくということにはある一定の理解が頂けました。さらに、二人の主治医に診てもらえて安心だという意見さえ頂きました。このことは、連携プログラムが、医療現場のご都合主義により患者が見捨てられることに繋がらないかと患者さん側から危惧されてしまうのではと、医療者側からは不安であったのですが、制度の良い点を患者さん側から指摘されたような気がして少し安心しました。制度の是非はひとまずおいといて、医療者と患者さんのコミュニケーションは問題解決のためには重要である事を地域連携に絡めて実感しました。

記事内容を変更することはできません。記述を修正したい場合はコメント欄を使って補足・訂正を行ってください。