MDAでの研修

Japanese Medical Exchange Program 現地報告

Japanese Medical Exchange Program & Reports

JME2018現地報告 day27

JME2018、なんとday27になりました。
2週間毎の化学療法で例えると、2コース目終盤、一番体調がいい時だねえ、と同室のNs. 河村さんと話していました。
なんのこっちゃという話ですが…。

そんなわけで、宮城県立がんセンター薬剤部の土屋が今回もお送りしております。

本日は!ついに!Dr. 上野の外来につかせていただくことになりました。
午前中はteam A、午後はteam Bという盤石の布陣です。
(Team B午前中はTechome先生の外科外来の見学、Team A午後はFinal Presentationの打ち合わせでした)

われらがteam A

対するteam B

 

上野先生曰く、「今日はfollow upの患者さんばかりだよ」とのことでしたが、診察に同席させていただいた患者さんたちのお話を聞いていると、みな何かしらの小さなproblemを抱えていました。副作用や並存疾患の増悪、などなど。
そんな患者さんたちに対して、Dr. 藤井、Dr. 上野が鑑別を行い、丁寧に説明している様子を拝見し、それをWork roomでバックアップするClinical Pharmacy SpecialistのNeelam、サポートで入っているRNの方、NPの方のチームワークを間近で感じることは非常に貴重な体験でした。あれだけ懇切丁寧に説明を受ければ、患者さんの満足度もさぞかし高いのではないかと思います。

 

また薬剤師のマニアックな話になりますが、米国は日本以上にOTC(Over The Counter)薬が普及しています。アパートの近所のTARGETやKrogerというスーパーの一角にもPharmacyのコーナーがあり、日本では処方箋が必要な薬も市販されているのを見て、はじめはとても驚きました。米国は保険償還の条件が厳しいため、わざわざ病院から薬を出すのではなく、OTC薬で差支えがない場合は主治医からこのようなOTC薬を購入するように、と患者さんへ指示があることがあります。本日も上半身の強いかゆみがある患者さんに対し、外用ステロイドは主治医が処方するものの、+αのかゆみ止めとしてのリドカインのスプレーはDrug Storeで買うように、との指示がDr. 上野から患者さんへありました。

OTC薬を使用するメリットとしては、保険の問題を考えなくて済むというところと、薬の成分名を患者さんに覚えてもらうこと、投与量を覚えてもらうこと、自分でお金を払ってもらうことでアドヒアランスの低下を防ぐことなどがあるとDr. 上野は言っておられました。高齢化社会の進展により皆保険制度が揺らいでいる本邦において、今後はOTC薬を活用してセルフメディケーションを行う時代が来ると考えられます。そうなったときに、患者自身がどの程度自分の病状や使用する薬などについて把握しているか、教育を受けているかということは非常に重要なファクターになってくると考えられます。

 

決して広いとは言えないWork Roomを我々3~4人のために快く開放してくださり、カルガモの親子のごとく診察を見学させていただいたDr. 上野、Dr. 藤井、Ph. Neelam、患者さん方に篤く感謝申し上げます。

https://www.facebook.com/ntueno/posts/2198246863519498
今日でChemoが終わりだよー!という患者さんのT-Shirt。感動しました


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