Clinical Statisticianとして

４年間の大学卒業後、エール大学にて統計学の博士号を取得し、その後、ミネソタ大学とデューク大学のファカルティとして勤務していました。M.D.アンダーソンで仕事をしていて面白いところは、科学的分野において非常に高いレベルを持っていることです。

例えば、統計解析を伴う臨床試験では、従来とは違った手法を、積極的に取り入れています。通常の無作為化試験では、対象例を試験群50％、対照群50％に割り付けます。しかし、既知の臨床試験において、試験薬の優位性が報告されているならば、50：50ではなく、試験群により多くの患者を割り付けます。そうすることで、臨床試験とは言いながらも、有効な治療が受けられる患者を増やせるのです。この方法は一見すると、統計学的な正当性に欠けると思われがちですが、そうではありません。無作為化の原則に従い、一定の基準（群の例数や、群間の例数比率など）を満たしていれば、科学的根拠に基づいた正当な解析結果が得られるのです。われわれは、こうした工夫を行うことで、数多くの臨床試験で成功を収めています。

現場では・・・

臨床試験の統計解析計画を立てたり、数学的な体系作りを行っています。
現在、色々なプロジェクトに関わっています。例えば、CDC (center for disease control)やNCI（National Cancer Institute）からのデータを元に、米国における乳ガン患者のあらゆる調査：マンモグラフ、抗がん剤治療、ホルモン療法などに関する過去15年間のデータを集めて、より有効なスクリーニング方法や治療法を見つけ出しています。

最近の論文

1. Berry DA, Smith TL, Buzdar A. Breast cancer. In: Machin D, Day S, eds.Textbook of Clinical Trials. New York: John Wiley & Sons, 2004:Chapter 6.
2. Berry D. Commentary: Screening mammography: a decision analysis. International Journal of Epidemiology 2004; 33(1):68.