コラム/エッセイ

チームオンコロジーへの道

Essay: Road to TeamOncology

チーム医療を通じて得たもの

看護師:佐藤仁美

佐藤 仁美 Hitomi Sato

看護師

国立がんセンター中央病院17A National Cancer Center Hospital

私は、2007年ワークショップへの参加をきっかけにチーム医療に興味を持ち始めました。看護師をして5年目の頃でした。チーム医療は、学生の時に、とても大切なものだと習いましたが、それは、連携・協働という言葉できれいにまとめられていて、興味も疑問もそれ程なく学生時代も看護師時代も過ごしていました。

チーム医療への興味

そんな時、2007年11月のワークショップに参加して、そのなんとも言えない情熱的で感動的な雰囲気に飲み込まれ、チーム医療に入り込むようになっていきました。臨床にどっぷりはまっていて業務をこなす毎日だった私にとって、リーダシップやコミュニケーションなどの概念を学ぶことは興味深い時間でした。

また、ちょうど同じ頃に、大学で教育に携わるチャンスも頂き、このチーム医療への興味、教職への転向、2008年のMDアンダーソンがんセンター(以下MDA)留学が、次のステップへの興味につながりました。

人に教えることから得たチーム医療への疑問

大学では、看護学科1年生と看護の道に興味のある高校3年生に「チーム医療」という講義をするチャンスを頂きました。どんなことを伝えれば良いのか迷いましたが、結局はひとつの言葉が伝われば良いと思い、「患者中心のチーム医療」に重きを置くことにしました。看護師として働いていた頃のエピソードやMDAに留学した時の話などを加えながら実践中心の話をしました。

すると学生さんからは、「チーム医療は1番大切とはわかっていたけれど、何で大切かわかった」「連携という言葉じゃわからない具体的なことがわかった」と予想よりもはるかに多くの反響をもらいました。「あなたが実践したいチーム医療は?」「あなたや家族が患者の立場で実践してもらいたいチーム医療は?」という課題を出すと、患者さんのことを想った、看護師としてもとても夢のあるレポートを書いてくれました。

この時、チーム医療というのは、もしかすると患者さんに近い学生さんの方が、自分の芯により入りやすく、将来も希望を持って実践できるものであるかもしれないと思いました。そして、チーム医療と聞くと、「世間の人はどのようにイメージしているのかな?」「他の看護学生は、どう思っているのかな?」「医療者は、職種によって考えは違うのかな?同じなのかな?」などと疑問を感じるようになりました。そして、この疑問が次のステップの「チーム医療を研究したい」という想いにつながりました。

チーム医療から得た仲間と次の目標

チーム医療という言葉を知ってからチーム医療に興味がわくまで、私は9年かかりました。そして、2007年からJ-TOPのワークショップや「みんなで学ぼうチームオンコロジー」に何度も参加して、やっとチーム医療について自分の考えや目標が見つかったように思います。

チーム医療に対する考え方は、いろいろな考え方があるだろうし、いろいろな実践の方法もあるだろうし、本当に言葉にすることは難しいなと思います。文章にすることは、もっと難しいかもしれません。でも、私は、チーム医療を通じて、たくさんの仲間と出会い大切なつながりを得ました。この気持ちを少しでも多くの方々、特に若い人に伝えるには、研究をして文章にしたいなぁと思い、頑張ろうとしているところです(^_-)-☆

(2011年11月執筆)

ちょこっと写真、ちょこっとコメントMy interest at a glance:
#
ローズの原料であるバラの花といろいろな精油のビン

幼かった頃、祖母に擦ってもらうのが大好きでした。手から温かさと優しさが出ているようで、とても落ち着きました。また、北海道で自然を身近にして育ったので、お花や緑も大好きです。現在は、その影響かアロマセラピーにも興味があり勉強しています。

マッサージは、技術をする人の手によって、同じ手技でも全然受け手の体感が違います。また、アロマセラピーで使う精油には、たくさんの香りがあります。私が勉強しているのは、そのうちの60種類にすぎませんが、それでも、その香りひとつひとつが奥深いのです!

精油は、エッセンシャルオイルといいますが、その名の通りエッセンスが凝縮していて植物のパワーを感じます。ちなみに私は、ジャスミンやローズが好きです。そして、精油の好みには、香りに対する元々の好き嫌いだけでなく、性格のタイプや現在の心や体の様子なども反映するようで面白いです。みなさんは、どんな香りがお好きですか?

(2011年11月執筆)