コラム/エッセイ

チームオンコロジーへの道

Essay: Road to TeamOncology

夢を持つこと! 緩和医療チームの挑戦

看護師:苅谷三月

苅谷 三月 Mitsuki Kariya

看護師

岐阜大学医学部付属病院 Gifu University Hospital

私は、医療連携センター・がんセンターの看護師をしております。2012年にJapan TeamOncology Program(J-TOP)に参加し、2013年にMDアンダーソンがんセンターでのJapanese Medical Exchange(JME)プログラムで学ぶ機会を得ました。この2つのプログラムを通じて、緩和ケアを必要とする患者さんに全ての医療従事者が緩和ケアマインドを持って医療を提供できることを目指したいと思いました。今回は、共に夢を持ち、少し変化し始めている我が施設の緩和医療チームについてお話したいと思います。

大切な仲間、緩和医療チーム

私が所属する緩和医療チームは、身体面の医師1名、精神面の医師1名、がん看護専門看護師1名(私)、緩和ケア認定看護師1名、薬剤師3名、栄養士3名がコアメンバーとなって活動しています。チームメンバーは少しずつ替わっていますが、お二人の医師は8年間チームの柱となって支えてくれています。私たちのチームは、チームメンバーの意見、対応を尊重してくれる、とにかく優しいこのお二人の医師の先生方の存在が大きくそのバックボーンにあります。その結果、お互いを理解でき、信頼関係が築け、チームでの活動にやりがいを感じられるようになりました。特にこの1年はそれぞれのやるべき役割を発揮できるチームになったと思います。

緩和医療チームの看護師である私の役割

緩和医療チームの中で私は、患者さん、ご家族、看護師の精神的サポートを主に役割としています。病棟看護師と共に患者さんのケアの方向性を検討し、患者さん一人ひとりがどのように病気を受け止め、どう取り組んでいきたいかを明確にするサポートと、それに必要な支援を様々な人を介して提供しています。患者さんの希望する生き方を医療はどのようにサポートできるか、どのように医療と折り合いをつけ取り組むかはとても重要な課題です。治療をすると治る病気、もしくは軽快する時期に治療の方向性を決めることのできる病気は、患者さんにとっても、医療者にとっても治療をする目標が明確となります。しかし、進行した病状、治療による日常生活への影響が高い治療内容、患者さん個々の生活状況など様々な要因が加わると、治療の目標は一様に決められることではありません。このような場合、どうすることが患者さん、ご家族にとって最善なのかを共に考え、その時々に納得のいく方法を見出すことが患者さんをサポートする上で重要だと考えています。また、患者さんの不安を受け止め、不安を抱えながらもどう病気と治療に向き合うかをサポートすることが私の役割だと思っています。

夢を持つこと! 緩和医療チームの挑戦!

当院では、J-TOP研修への参加者が医師、薬剤師、看護師共に少しずつ増えています。その参加者のうち3人(看護師1名、薬剤師2名)が緩和医療チームにおり、うち2名はJMEプログラムにも参加しました。J-TOPとJME研修プログラムの影響を大きく受け、研修参加者を中心に緩和医療チームでMission/Visionを掲げ活動したい、チームとしての夢を持ちたいと話し合っています。

現在、緩和医療チームでは2つの挑戦を掲げ実践しています。1つは、国から緩和スクリーニングが求められていることを受け、すべての患者さんに苦痛があるか否かを確認することです。スクリーニングには多くのツールがありますが、どのツールで行うことがより患者さんの苦痛を確認できるか、そしてケアに結びつけるにはどうしたらよいかをカンファレンス後に話し合い実践しています。実際に実施するには多くの問題がありますが、皆で問題解決に常に取り組んでいます。

もう一つは、緩和ケア介入結果をデータで示すことです。緩和ケアの領域はデータで示すことが難しい領域なのですが、根拠を見出す取り組みを目指しています。患者さんが安心して受けられるケアを提供できるように、日々チームで検討しています。

私の挑戦と夢

個人的な挑戦は「笑い」の提供です。岐阜は落語の発祥の地です。以前患者さんから「笑わしてよ、笑いたい。温かい笑いがいいな。落語がいいな。苅谷さん何とかしてよ。」と言われました。当大学には落研があり、昨年度は全国大会で優勝した学生さんがいるようです。ですから、何とか患者さんのために笑いが継続的に提供できるように交渉し、実現したいと思います。

私の夢は、全ての医療者が緩和ケアマインドを持って医療を提供できることです。忙しさに疲れ果てエネルギーを消耗すること、多くの人とのやり取りの中で結果を出せず落ち込むこと、これらが重なりやる気をなくすことがあります。そんな時、J-TOP、JMEの仲間が頑張っている様子や緩和医療チームメンバーからの励まし、仲間の理解と支援、そして家族の支えが、夢に向かって次の一歩を踏み出す原動力となっています。私も夢に向かって頑張っている医療者を支えることのできる人になりたいと思います。

(2014年 9月執筆)

ちょこっと写真、ちょこっとコメントMy interest at a glance:

2013年3月からマラソンを始めました。ぽっちゃり体系の私は、走ることは昔から大の苦手でした。きっかけは主人の一言「マラソン大会に出る?」と誘われ、何となくやればできるかな?と根拠のない自己効力感を持ってしまったことです。今も続けているのは、一緒に走る仲間がいるおかげです。きっかけと仲間がいれば何とかなることを実感しながら、仲間の輪を広げています。

(2014年 9月執筆)

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